2007年10月17日
ハイランダー。3合目。
今日で休みもオシマイ。日記書きまくりの日々ももうおしまいです。だいぶ書いたぜイェイ! 1日平均3本ってなんだそりゃ。なんてったって、出かける用事がほとんど無くて、家で寝てばっかの日々だったからな! いや別に泣いてませんよエエ!
「行きたい場所」に追加。管山寺。
http://www.kaiun-goriyaku.com/25t-037.htm
「山門の左右にある樹齢1000年を超えるという2本のケヤキの巨木」。むぅ超熱い。行きてー!!
ハイランダー。3合目。
ホットドッグを食ってお腹を満たした俺とM先輩は、本日の目的地「白坂」を目指して車を飛ばした。「白坂」は近江高島にある岳山の中腹にある、花崗岩の巨大な岩壁である。
近江高島駅の無料駐車場に車を止め、我々は歩き出した。登り口のある大炊神社までは歩いて30分近くある。この神社の名前を忘れてきっちり通り過ぎ、15分ほどをムダにするという小ネタを織り交ぜつつ、我々は着実に歩を進めていった。
「マジでこの道でいいんでしょか?」
「ビニール引っ張ってあるし、間違いないと思うけどなあ」
「ですか。――ってうわ!? クモの巣が!?」
「さすが山ん中のクモの巣は、根性あるなあ」
「取れねー! うひょおおおお!!!!」
地図を見るに、白坂は入り口からすぐの場所にあるように見えた。気軽で手軽なハイキング。そう思って歩き始めた我々は、ほどなく自分たちの思い違いを後悔することとなった。
「・・・いつになったら着くんでしょうねえ」
「まったくだ」
「道もどんどん狭くなってくるし。つか、平たくねえですよ! 水流れてえぐれた跡あるし!」
「雨降ったら川になるんだろうなあ」
「一度雨降った時に来てみたいですね」
「だなあ、ハッハッハ」
と、しゃべってたら。
「ひぃぃぃぃ!!! ホントに、ホントに水が流れてるとこが!!」
「昨日の雨か!? 昨日の雨だな!? くそう、見せてやるこの俺の黄金のステップを! とりゃー!!」(ドポン)
などという苛酷な試練をくぐり抜け、我々はようやく白坂へとたどり着いた。悪いことは言わない。ここを目指すならちゃんとした登山靴を履いて、相応の覚悟を持って挑むべきだ。つか、この辺の子供、ここを遊び場にしてたってお前ら元気すぎだ! クマ出そうな山ん中だぞ! そんなエサでこの俺がクマー!!
それにしても。
「これは確かに、来る価値ありましたね・・・」
「うん」

風化した巨大な花崗岩。しかしそれは、全長で50mはあるかという巨大なモノだった。長年の風雨に削られ、その地表はまるでスキーのゲレンデのミニチュアのようにうねくり、砂を押し固めたようなざらりとした肌がそれを覆う。
ここは、本当に地球か? そんなことを思わせる奇観だった。
「とぅ!」
「ああ、M先輩待って!」
謎の掛け声を上げて、M先輩が坂を駆け上がっていく。つか、よくこんなザラザラで滑るとこ、サクサク登ってくなあの人。レンジャー技能何レベルだ。
ひぃひぃ言いつつ、なんとか坂を上る。頭上には蒼穹の空が広がり、足下には白き奇形。そして、遠くに目をやれば、そこには空よりもなお青い琵琶湖の姿があった。
「キレイですねえ」
「だな」
俺たちはしばし、吹く風に身を浸した。1時間以上もかけて激しい山道を来たおかげで、足はガクガクだった。二度とこんなとこ来るもんか。絶景を見下ろしつつ、俺は半泣きで思った。
オマケ。大炊神社の便所にあった張り紙。

前の川でどうぞてー!?
次に向かうは、また腹ごしらえである。向かったは近江今津にある週末だけ営業の湖岸カフェ「Cafe Lac」。M先輩セレクトである。湖を見つつ、カレーを食す。ブイヨンから煮込んだというカレーは、辛さの中にほのかな甘さがあって面白い味だった。うむ、満足!
さて、次に目指すは高島市新旭町針絵地区。“生水の郷”の異名で呼ばれる、水の街である。街中を水路が張り巡らされ、それぞれの家には「かばた」と呼ばれる、水路を引き込んだ炊事場が据え付けられている。そこには鯉が飼われ、炊事のさい出た生ゴミをキレイにしてくれるのだという。

M先輩がここにある「松の花」というお酒を造っておられる川島酒造さんでお酒を買われたんで、お願いして車を停めさせてもらい、あたりを散策して廻る。余談だが、ここではお酒の仕込み水を飲ませて下さるのだが、大変旨かった。帰りにお代わりしたくらいだ。笑われたけど。
民家の中にあるかばたを見せて頂くには、1回1,000円のツアーに参加する必要があるが、今回我々は時間がないのと、ザッと見る程度でいいや、という後ろ向きの理由とで参加しなかった。でも、だいぶ楽しめた。
「近所にこういうきれいな川あったら、楽しいやろなあ」
「うちの家のそば、汚えドブしかなかったけど、それでもそこ探検してザリガニとか取ってましたもんね。ここやったら最高やろなあ」
そんな言葉を交わしつつ、1時間ほどあたりを散策して廻る。街中に限らず田んぼのあたりも「絵になる」光景が多そうだった。一度じっくり探検してみたいモノである。
「じゃあ、そろそろ行きますか!」
「おう!」
逍遙と流れる水の流れに心を洗い、我々は本日最後の目的地、「楊梅滝」目指して旅立つのであった。
(続く)
オマケ。M先輩の買ったお酒。

あんた、なんでこんなネタモンばっかり!
紹 介 し た の は 俺 だ が 。
くそう俺も飲めればー!!
2007年09月18日
ハイランダー。2合目。
筋 肉 痛 が 。
ハイランダー。2合目。
とゆーわけで。M先輩と遊びに行ってきたワケなのである。うむ、どんなワケだ。
ま、端的に言うと先日買った『滋賀本』というムックが非常に当たりで、行きたいとこ山積みウッキウッキモンキー!だったので出かけたのである。
今回はM先輩が迎えに来てくれると言うことで、珍しくたっぷり寝て出かけることができた。いつも朝イチの始発で神戸行って、そっから合流だったもんなあ。そりゃ寝れんわ。今回はたっぷり寝ましたよ! 3時間も!! 当社比2倍です。
「ちわー」
「ちわわー。スマンすね、遠くまで」
「だいじょぶまかせてOKよー! して、何処に!?」
「ふっふっふ、今回の目的地は滋賀県高島市。白い坂と滝見物&生水の郷めぐりです! とりあえず、腹ごしらえしましょ腹ごしらえ。行く道の途中で、移動ホットドッグややってるおっちゃんがいるらしいんですよ! Let’s Go!!」
「ラジャー!!」
かくして我々は旅だった!! 一昨日買ったばかりというNew iPodから怪しげなソングと動画を垂れ流しつつ、車は颯爽と湖岸を駆け行く。
「いやあ、いい天気ですな!」
「まったくまったく!」
「で、そのホットドッグ屋はどの辺にいんの?」
「白鬚神社のそばらしいんですけどね。ま、時間もたっぷりあるし、じっくりさがしましょうよ! あ、ちょうどいいんで白鬚神社も寄りましょ! 我輩まだ寄ったことないんで!」
「オーッケェェェェ!!!!!」
言って、M先輩はアクセルを踏み込んだ。きしんだ音を立てて、車が加速する。琵琶湖大橋を渡り、湖西道路を駆け抜け、俺たちは早くも高島市へとたどり着いていた。

白鬚神社。(しらひげ・じんしゃ)
滋賀県高島市鵜川に鎮座する神社。近江国最古の神社とされる。全国に位置する白鬚神社の本社。祭神は猿田彦大神。
沖島を背景として琵琶湖畔に浮かぶ鳥居が印象的で、「近江の厳島」とも称される。
猿田彦大神を人格化する際に白髪の老人とする端緒は、当社の社名にあるといい、謡曲『白鬚』の舞台でもある。やはり社名から、長寿の神様として知られる。
社伝によると垂仁天皇の25年、倭姫命により社殿を創建したのに始まる。白鳳2年(674年)、天武天皇の勅旨により比良明神の号を賜った。『日本三代実録』の貞観7年(865年)正月18日条に比良神が従四位下の神階を受けたとの記述がある国史見在社であるが、延喜式神名帳には記載されていない。
本殿・若宮社・伊勢両宮及び八幡三社は、豊臣秀吉の遺命を受け、豊臣秀頼が片桐且元を奉行に命じ、播磨の大工の手によって造営されたものである。
(Wikipediaの同項より転載)
「古色蒼然たる神社ですなあ」
「おお! 湖に鳥居が! あの島、竹生島!? 竹生島!?」
「はっはっは、きっとそうですよ。根拠はありませんが」
後で調べたら沖島だった。不覚。滋賀県民として、あるまじきミスである。
「水キレイだねえ」
「ですねえ。――っておお! チビッコが泳いでる! 波強い上、水深いぞキミたち!」
その後古社をめぐり、蛇にビックリしたり、ご神木の下に飾られたとても小さなお地蔵さんに心暖まったりしながら、我々は再び車上の人となった。
「いいとこでしたなー」
「神社っていいですよねえ」

心が満たされたら、次はお腹である。さあ、捜すぜホットドッグ屋! 俺たちのお腹はとっくに臨戦態勢さ! ばっちこーい!!
『滋賀本』掲載の大ざっぱな地図と首っ引きで捜すこと10分。ついに我々の目は目指すホットドッグ屋、「風月堂」の黄色い車体を発見した! 陽光の下、琵琶湖をバックに燦然と輝くその車体! 沸き上がる歓声! あふれでる涎! その瞬間、我々は見た! 店主とおぼしきおっちゃんが、椅子や机、材料を運びまくっているその姿を!
準 備 中 。
我々はものすごい勢いで向かいのうかわファームマートに突入し、時間を潰した!!
(てれてれてってってーん♪)←ドラクエの宿の音楽
よし準備完了! おいちゃんが営業を始めたのを確認すると、我々は猛然とお買い物へ行った! 関係ないけどうかわファームマート、置いてる野菜安いし上手そうだしだいぶ気に入ったが、今日はさすがに買ってるヒマねえ! また今度な!
道路を渡り、バンへと近づく。前のお客とおっちゃんが繰り広げる場末の居酒屋みたいなトークに耳傾けつつ、我々はおっちゃんへ声を掛ける。
「ソーセージのホットドッグいっちょー!」
「俺ハンバーグのホットドッグいっちょー!!」
「あいよー」
焼き上がったホットドッグは、カレー風味のキャベツをぎっしりはさみ、そこへ魚肉ソーセージか、自家製ハンバーグを挟んだもの。マスタードが強めに利いてて、うむ! うまい!!
「ジュースちょうだいー。コーラ」
「あ、我輩も」
「そこのクーラーボックスに入ってるから自分で取って。100円ね」
い い な あ 、 こ の 緩 さ 。
すぐ向こうの琵琶湖に目をやりながら、熱々のホットドッグをかじり、冷えたコーラで流し込む。おおー、なんかアメリカ映画みてえ! 気分はローリング70's。西海岸ですよ!
原色で塗り立てられ、フィンテールをピンとかかげた大食らいのデカい車。Coolを合言葉に、サングラスで必死の虚勢を隠す若者達。そして、世界に向かって抱いていた、根拠のない夢と希望。
俺は口の端に着いたソースをペロリとなめると、ホットドッグの袋をクシャリと握りつぶした。
「さあ、行きましょうか!」
「おうよ!」
答えたM先輩と、車へと駆けよる。イグニッションが回り、車が咆哮をあげる。締め切った車の中には、真夏の風が溢れていた。M先輩がiPodに手を伸ばす。流れる曲はなんだ? サーフィン・U.S.A.? 二人だけのデート? 夢のカリフォルニア?
♪(ふにふに恋☆) やっときました
♪(うみうみ海!) あっちちちな恋
エ ロ ゲ ソ ン グ か よ 。
まあ、これはこれで! どうせ俺たちの夏はアメリカより有明。西海岸より東館よー! もう10年近く行ってないけど!!
「さあ行くぜー!」
「おおおおーっし! Here We Go!!!」
昨日までの曇り空は、嘘のように晴れ渡っていた。連休中の朝一番とあって、道路もほとんど混んでない。夏はまだ終わっていない。いや、俺たちの夏はこれからなのかもしれない。
俺は空を見上げ、まばゆく輝く太陽を見つめて、目を細めた。
――暑い一日になりそうだぜ。
そんな俺を尻目に、iPodから流れる曲は、いっそうダメ度を増していた。
(続く)
2007年09月17日
ハイランダー。1合目。
『明日ヒマなのよ。どっか連れてっておくれよMADくん』
M先輩からそんなメールが届いたのは、昨日のことであった。
おのれー! あと一日早く連絡を寄越せば、シャワクラなり他のアウトドアなり予約ができたものをー! 超ウルトラ仕事忙しいこの時期にメールなんざもらって対応してられるかボケー!!
しかし、先輩の命令は絶対である。
しかも、たまたま偶然超珍しいことに、明日の休みは予定がなかったのだ! このラッキーボーイめ! いやもう、おたがい「ボーイ」なんて年じゃねえけど! ラッキーアダルト? ラッキーアダルト・チルドレン? まあいいや。俺が休みにヒマな確率なんて、2割くらいしかないんだぞ!? もちろん用事ある確率が2割な!
ただ、明日は3連休のド真ん中。どこ行っても混んでいる。さらに、先ほど言ったように、今日の俺様は超多忙。予約入れるイベントも無理だ。八方手詰まりか?
――フフン。
俺は嗤った。この程度で手詰まり? このMAD様を舐めてもらっては困る。3連休で混むなら、人がいないところへ行けばいいだけのこと。山。滝。心当たりならある。ネタなら常に持っている!
俺は完爾と笑い、M先輩へと返事を打った。滋賀での決行になりますが、よろしいですか? ややあって、返事が届く。
『問題ない』
OK。なら決まりだ。俺は唇の端を歪め、しゃがれた笑声をあげた。よござんす。おつれしやしょう。あなたを、極上の異界にね。
『何時に拾いに行けばいい?』
『何時でも。早くおいでなら、それだけ遊びに行ける場所が増えるだけの話で』
『なら、こっちを6時に出よう。8時には拾える。して、どこに連れて行ってくれるんだ?」
『真っ白い坂に、極上の滝。それに、朝飯にゃあホットドッグなんていかがです?』
『OK。――楽しみにしてるよ』
こちらこそ。
クークックック、アーッハッハッハ!! メールを終えて、俺はこらえきれず笑い出した。
目の前の大量の仕事に、もう笑うしかなかったのである。
その日、俺が帰宅したのはやっぱり、22時過ぎであったという。
(続く)