2008年09月01日

美味しいピザの作り方。焼煉瓦編


 美味しいピザを食いたい。

 そう思い、俺はダンボール窯を作り、友人Oは煉瓦のピザ窯を作った。一方普通の人は出前を取った。


 ――とゆーわけで! 先日作成したピザ窯作成の一部始終であります! と言っても、これ作ったのも、レポ書いたのも友人Oなんだけどな! mixi以外では公開する気ないとゆーので、俺がコピペして改変。仕事は彼のもの。手柄は俺のもの。ワシントンもかくやとばかりに(自分に)正直なその姿勢に、涙を禁じ得ない今日この頃です。


◆石窯(+BBQコンロ)計画 準備編

--- 23日 ---

 雨に不安を抱えつつ、日曜日には晴れると信じて俺は資材集めに奔走した。決して希望を捨ててはならない。夢だけでは人生食ってはいけないが、夢無しの人生など何の意味もないのだ。


「こちらジャック・バウアー! 車を回してくれ!」


 まずは、本体となる耐火レンガとコンクリートブロックを入手するためにホームセンターへ! 念の為、嫁の実家から軽トラックを借りた。コレが大正解。最初は、キューブで運ぶつもりだったけど絶対無理だったと思う。しかし、久々のMTは緊張するぜ。

 適当に描いた設計図から割り出した数は、耐火レンガが55個。そしてブロックが35個である。これに加え、準備に必要なその他諸々を一気に買い込んだ。

 重い!! そして意外と高い! これだけで15,000円を超えた。米国の国家予算の30%に匹敵する巨額の費用である。俺は愛すべき祖国にこのような負担を強いたテロリスト達を絶対に許さない。

 新たな決意を胸に秘め、俺は窯の設置予定地である姉者の家に、資材を置きに向かった。


 どっせい!よっこらせ!


 雨が降ってもいいように、ビニールシートを被せる。プロの仕事にミスは許されない。 俺はメモを取り出すと、今回のミッションに必要な資材を確認した。


・ピザをのせる丸い網(30cmぐらい)
・石窯を掃除するミニほうき(樹脂製は溶けるので×。100均で十分)
・BBQ用の網(80cm×50cm、結構でかい)
・炭をのせる網(50cm×38cm)
・薪(広葉樹、ナラが良いらしい)
・強力粉(フランスパン用の粉が欲しかったが無かったので)
・ドライイースト


 ・・・OK。完璧だ。見ていてくれパーマー大統領。あんたの無念は俺が晴らす。握り拳を固めながら、俺はそう誓うのだった。あと、『24』見てないんでツライし、そろそろこの文体はやめようと思った。



◆石窯(+BBQコンロ)計画 設置編

--- 24日---

 時は来たれり!

 旨いピザを食いたいと願ってはや2ヶ月! 我らは耐えがたきを耐え、忍びがたきを忍んで雌伏の日々を過ごしてきた! しかしついにこの日が来たのだ! 立てよ国民! ジーク・ジオン!


 と、ゆーわけで。ついに作成開始である!!


 積み上げるだけだから簡単だと思っていたのだが、土台の作成に意外と手間取った。 しかし、土台をこそしっかり組まねばならない。建築において最も重要なのは、基礎。基礎がなっていなければ、いくらそのうえに大伽藍を築こうとも、所詮は砂上の楼閣。ささいな衝撃で、簡単に崩れ去るものだ。それは人間でも習い事でも、同じ。性根が歪んだダメ人間は、なにをやっても、どこまで行っても、ダメ人間なままなのである。


MAD「なに? 突然俺の方見て?」


 いや、別に。

 さあ土台造り! 場所はこの辺りで良いかな!?  一応は水平を取った方が良いから、水準器を使ってと。





 あ、作業的には一人で十分です。と言うか適当な手順なんで説明不可能です。一応図面はあるんだ。ワザワザCADを使って描いたんだ。でも寸法も何も書いて無いし、説明が面倒なんだ。だからMADさんは、ダンボールで工作してると良いと思うよ。
(訳:邪魔だからあっち行っとけ)

 さて、と。石窯だけならブロック6枚を敷くだけで十分だが、姐さんから、BBQコンロも一緒に作って欲しいとリクエストがあった。OK。なんとかしましょう。

 BBQコンロ作成の布石として、周囲にブロックを半分埋める。コレが意外に大変で、高さを微調整しつつ掘ったり埋めたりで、手間取った。 水準器で、平行を確認する。





 30分ほど試行錯誤をして、なんと敷設完了! もう後は、積み重ねるだけ!!





 まずは耐火レンガを平らに敷く。ココが最終的にピザを置く場所になる。








 壁を作るように順番に積んで行って、 蓋をしたら石窯完成。





 真ん中は下から支えてるモノが無いけど、付き合わせて上からブロックを乗せれば落ちてくる事は無い。適当設計でも上手く行くもんだ。 そのまま、周囲を囲むようにしてブロックを積み、炭用の網受けとBBQ用の網受けを乗せれば、完成!!





 土台が出来てからは、あっという間の三こすり半劇場だったな。雨に邪魔されたが、3時半ぐらいには焼き始められるんじゃなかろうか?


 後は、薪をくべれば焼けるぜ!


◆石窯(+BBQコンロ)計画 実施編

--- 24日 15時頃~ ---

 さあて、急いで薪に火を点けよう!


※※ばさばさ(団扇の音)

※※ふーっふーっ!(キッチンペーパーの芯で作った簡易火吹き)


(※※の部分、30分繰り返し)


 ぜぇぜぇ・・・・(息切れ)


 全然火がつかねえエエeeeeeeeeeee!!!!!!!!


 石窯用の薪は、広葉樹が良い。針葉樹は柔らかくて割りやすく、火も付きやすいけど、火持ちが悪くススが出易い。広葉樹はその逆だ。 火が点きにくい。加えて、先ほど降った雨のせいか、どうも湿気っているみたいだ。

 ええい、この俺を怒らしおって! 薪は燃えるのが仕事。放っておいても頑張るだろうなどと、甘いことを考えたこの俺が愚かであった! この俺を怒らせたことを、あの世で後悔するがいい! 新聞紙部隊全軍突撃! 月桂樹部隊もモタモタすんな!! 左舷ダンボール薄いよなにやってんの!!!

※一口メモ:月桂樹は油が多いらしく良く燃える。結構大きな木で枝が増えて困るので、料理に使う人は勝手に切って干して使うと良いよ! 煙もけむたくなく、いい匂いするしね! 庭に月桂樹がある家なんてそう無いと思うが!!


 ま っ た く ム ダ で し た 。


 薪が焦げるだけで、点いた火がすぐ消えやがる。


 ダメなのか。俺は大の字に倒れ、空を仰いだ。オレはこんなところで朽ち果てるのか。俺はこの程度の男だったのか・・・・・・!!!

 涙がこぼれる。新聞紙。月桂樹。そしてダンボール。すまねえみんな。お前達の犠牲、ムダになっちまった。どうやら、ここまでらしい・・・・・・。

 その時、俺の視界に飛び込んだものがあった。 長くて細長い、メタリックボディ。その瞬間。

 俺の身体を、電撃のような閃きがつらぬいた。


       |
   \  __  /
   _ (m) _
      |ミ|
    /  `´  \
     ('A`)
     ノヽノヽ
       くく


 こいつだ! こいつさえあれば!!

 俺は猛然と身体を起こし、そいつをひっつかんだ。窯へとかけより、筒先を坑内へと向ける。薪たちのあざ笑う声が聞こえた。Heyボーイ、まだあきらめてなかったのか? 俺たちは、貴様のようなケツの青いガキが、どうこうできるようなタマじゃねえのさ。HAHAHA!!!(被害妄想)

 こきゃあがれ。俺は不敵な笑みを浮かべると、奴らめがけ、渾身の力を込めて発射した。そして次の瞬間!!


 グォォォーーーーッ!! ゴーーーーッ!!


 紅蓮の炎と薪たちの絶叫が、ピザ窯の坑内を満たした!!!!





 うぉぉぉぉ!!!! 俺は予想以上のその破壊力に、思わず拳を突き上げた! なんだコレ!? すげぇぇえぇえぇぇ!!  コレって、そもそもこの為に開発されたアイテムなんじゃねぇの!? 思わず、そう疑ってしまうほどの破壊力だった。すげえぜ!


 自 転 車 の 空 気 入 れ !


 その威力たるや、まさしく秘密兵器と呼ぶに相応しい! ものすごい勢いで空気が出るし、筒先を向ける方向で、そこに空気を送り込むかも調節容易。本当に、団扇で扇いでたのがバカみたいに思える破壊力である。


 新聞紙。月桂樹。ダンボール。お前達のかたきは取ったぜ。


 俺は涙を流しつつ、次回BBQをする時は絶対空気入れ持って行こうと、そう誓うのであった。



 さて、ようやく火が点いた。このまま窯の内側全体が白くなるまで加熱を続けるのが本当なのだが、そろそろ暗くなってきた。時間もないし、少し早い気もするが薪を取り出し、ミニほうきで窯を清掃。嫁が準備していたピザ生地を投入することにした。





 ジュー!


 おお!焼けてきた! 火も無いのに焼けるだなんて不思議だな~ 。早いな。3分~5分ぐらいで焼けるらしい。 何だか下に敷いたクッキングペーパーが焦げてるような気がするが大丈夫か?





 さあ、食べよう!

 熱つつ!! しかしめちゃめちゃ旨い! コレは中々良い出来なんじゃないの!? あ、でも一部焦げてる。熱すぎるのか? そう言えば、ピザ職人って焼いてるとき、しゃもじのお化けみたいなのにのせて窯に突っ込んで、中でクルクル回してる気がする。あれってカッコつけてた訳じゃないのか!!  ようし、次は焼いてる途中で回転させよう!

 で、クルクル回してみたら。


 焼きムラも無く良い出来栄え!!





 旨いッ!!  4~5分で次々焼けし、これは優れものですよッ!!


 その後デザートにと、上に作ったBBQコンロでグリルフルーツを作成。 なんで加熱したバナナは、あんなに甘くなるんでしょうなあ。





 最終的に4枚焼いたが、ラストは焼くのに時間が掛かった。事前に調べた時には、10枚ぐらい焼けるような事が書いてあったけど、加熱を途中で止めたのが敗因だろうか。次にやる時は完璧を目指すぜ。

 あ!ちょっと組み替えて入り口を狭く、天井を高めにしたら、熱溜まりが出来て良いんじゃないか?  ようし、今度ヒマが出来たら、さっそく改良してみよう!


 いやしかし楽しかった。


 今回の事で、窯を作るのもピザを作るのも食べるのも楽しいと言う事が分かったよ。流石C.C.さんが「ピザは中華料理、トルコ料理、フランス料理と並ぶ新たなジャンル」言うだけの事はある。

 そんなこんなで、石窯はレンガ運んだり基礎作ったりと、かなり手間が掛かるけど、ダンボール窯なら驚くほど簡単に美味しいピザが出来るので、皆も試してみると良いと思いましたとさ。

 準備が面倒なら、キットもあるしね。キットなら、見栄えもいいのが出来ますよ。ちょっとお高いけどね! ちなみにMAD君は4年ほど前、ここで豆腐作成キットを買ったことがあるそうです。ホワイトデーのお返し用に。だからアイツはモテないんだ。(実話)

http://www.auvelcraft.co.jp/isigama/


 Let’s Try!



※追記・・・この石窯ですが、漆喰とかで固めてないので、なんかあった時移動できるのは便利なんですが、一つ巨大な弱点があります。それは雨水が隙間に染みこむこと。

雨の直撃を喰らうとこに置いておくと、隙間に溜まったり煉瓦が吸ったりして水分を吸収。そうすっと「さあピザ焼こう!」と火ぃ点けても全然温度が上がらず、木枯らしに吹かれて一人たたずむハメになりかねません。んで、ダンボール窯でお茶を濁すハメになりかねません。いや決して俺のことでは! 俺の実話では!!

そんなわけで、できたら雨を喰らわない所に建てるか、カバーかけるかししといた方がいいと思います。色々世知辛い世の中ですなあ。  


Posted by MAD at 00:58ピザ窯。

2008年08月26日

美味しいピザの作り方。ダンディ・ダンボール編


 ダンボール窯の作り方。

 HA-HAHAHA!! そこで俺はジャックに言ってやったのさ! 「そいつはお前のワイフだ」ってね! HA-HAHAHA!!

 おやジョニー? どうしたんだ? 今日はステイシーとデートだって張り切ってたじゃねえか! なに? 振られた? おいおい、そいつぁ聞き捨てならねえな。どうした? いざって時にお前の持ち物が役に立たなかったかHAHAHA!!

 ・・・OK、悪かったよ。だからそのS&Wはおろしな。なにがあったんだ? ん? ステイシーがランチにピザを持ってきて? 「不味い」って言ったら帰った? そりゃ当たり前だ! あ? でもガマンできなかった? ママの作るピザは最高? おいおい、これだからイタ公は! とっとと家に帰ってママのオッパイでもしゃぶってんだな! HAHAHA!!

 ・・・OK、悪かったよ。だからそのショットガンはおろしな。

 仕方ねえ。俺が最高のピザの作り方を教えてやろう! ピクニックでこいつを作ってやれば、どんな女もイチコロさ! ステイシーだってあっという間に腕の中だぜHAHAHA!!

 なに? ステイシーはそんな尻軽女じゃない? ・・・OK、悪かったよ。だからそのバズーカはおろしな。

 行くぜ? とっても簡単なダンボール窯の作り方だ!


 ――っていう感じで書こうと思ったが、さっきの日記で色んなものを使い果たしたんでやめとく。前説、なんであんな展開になったんだろ・・・。あと、このままだと、なんか女性陣を敵に回しそうな気がしてきた。


◆準備するもの
ダンボール、でんぷんのり(※1)、アルミホイル、針金、金網、ペンチかニッパー、錐か千枚通しみたいな尖ったもの、炭、炭入れ

※1・・・合成ノリは、加熱したとき化学変化を起こしたりガスを出したりするので避けた方が無難

①ダンボールにノリを付け、銀紙を貼る



貼って貼って、貼りまくる。



内側の隅々まで貼れたら、完成。



※貼ってる途中で破れても、上から貼ればOK。最終的に、全面が銀紙で覆われれば問題なし。


②錐で側面に穴を開け、針金を通す





↑見えにくいけど、通したとこ。ちょっと太めの針金を使うと良い。反対側に行ったら「コ」の字に折り曲げて、差し込んだ方に戻し、ひねって結んで、ピンと張り詰めた状態にする。

↓分かりにくいけど、上から見るとこんな感じになる。

   前

 |__________|_
[|__________|_>q ←針金
 |     |
 |__________|_
[|__________|_>q ←針金
 |__________|

   後

 この針金の上に網を載せて、物を焼くのだ!

③下の方に空気穴を開けて、完成。10分かかりません。



④炭を入れる。こぶし大で火の付いたやつを、5個ほど。



⑤針金の上に金網を載せ、ピザを置く。
 ※針金がしっかりして隙間も大きくなければ、金網は別になくてもいいです。



⑥蓋を閉め、15~20分ほど待って、中からおいしい匂いがしだしたら、完成! 途中で開けても問題ないので、「出来たかな?」と思ったら開けて確認してみよう。焼きすぎると野菜やソースの水分が蒸発し、ジューシー感が無くなるので抑えめでもいいかも。



 以上ー!!

 冷凍で売ってるピザ生地やピザトーストセットを持って行って、焼き肉の時や朝飯で作ってみたり、デザート作り用に持って行くと、だいぶ受けると思います。見かけもちゃちいし、「まさかこんなので!?」と思っちゃうところが、よけいに出来たときの感動を増してくれます。これでステイシーもメロメロさ!(そのネタやめたんじゃなかったのかよ)

 仕組みはオーブンと一緒なので、焼きプリンでも焼きリンゴでもラザニアでも、オーブンでできる料理はだいたいできます。しかもこれが、バカにならんほど旨い。

 Let’sチャレンジ!!!




こっそり参考にした記事をUP。

//img01.shiga-saku.net/usr/mad2/20286913_2849049210s.jpg
//img01.shiga-saku.net/usr/mad2/20286913_3411666384s.jpg
  


Posted by MAD at 02:46ピザ窯。

2008年08月26日

美味しいピザの作り方。前説編


※以下は、少し目つきが悪くて長髪黒髪、セーラー服姿の高校生女子がしゃべっているものとしてお読み下さい。


 美味しいピザを焼きたい。

 いや、隠さずともいい。君がそう思っていることは、皆知っている。恥ずかしがらなくてもいい。それは人が人として産まれて、抱かずにはいられない、根源的欲求なのだ。「人には避けられない、4つの欲求がある。性欲、食欲、睡眠欲、そしてピザ欲である」と、かのゲーテも言っている。なに? 言ってない? じゃあ、ラ・ロシュフーコーだったかもしれないな。

 その君の、死をもってしても叶えたいと願う願いを、僕が今日叶えてあげよう。いや、礼などいい。君と僕の仲じゃないか。そこに土下座して、「ありがとうございます。あなたは私の神様です。いや仏様です。いやいや稲尾様です」と言って地面に頭を10回ぶつける程度でいい。あ、預金通帳と実印、家の権利書はそこに置いておいてくれ。

 さて、美味しいピザを焼く方法。そいつはとても簡単だ。「ピザ窯を使ってピザを焼くこと」。これにかなうものはない。考えてもみたまえ。数千年の長きにわたり、イタリア人は美味しいピザを焼くことのみに専心し、ピザ窯を改良する為だけに生きてきたのだ。栄光のローマ帝国もその余技に過ぎない。美味しいピザを野蛮人達に振る舞っていたら、ピザ食いたさに皇帝などという地位に祭りあげられただけだ。脅威の土木技術も同じことだ。今なおその姿を残すコロッセウムも水道橋も、大陸中に張り巡らされたローマ街道も、全部練った小麦で造られているというのは有名な話だ。食べ物を足蹴にするのは感心しないがな。

 餅は餅屋。ピザはピザ屋。紺屋は白袴。イタリア人がそうやって、民族の全歴史と全精力と全知と全情熱を費やして改良しつづけたピザ窯。それでピザを焼くこと以上に、ピザをおいしく焼ける方法がないことは、「暗愚」という言葉をイメージして1億人の人に絵を描いてもらい、全部足してなにも引かなかったようなツラの君にも分かってもらえることだと思う。君のそのカボチャのような頭に、脳みそなどという高級なモノが、カボチャの種一片ほどでも入っていたら、の話だが。

 前置きが長くなってしまったな。どうも僕は嘘がつけなくて困る。阿諛追従と心にもない愛想で嫌なことを切り上げるスキルがあれば、こんな説明、3行で終わるのだが。僕は面倒くさいことと嘘が大嫌いなんだ。

 さて、本題のピザ窯だ。イタリアの一般家庭ならば作業用、観賞用、布教用と3つあるのが普通のピザ窯だが、残念ながら日本の一般家庭では、あってもせいぜい観賞用の一個だけだろう。そこで今日は特別サービスに、この僕が作業用のピザ窯の作り方を教えてやろう。それも、耐火煉瓦を使った、本格的な奴だ。

 ああ、心配しなくてもいい。君のような150万年前に進化が止まった猿人のような脳みそでも理解できるくらい、これは簡単な作業だ。象を冷蔵庫に入れるくらい簡単な作業だ。


STEP1:誰にでも一人はいる高校時代の友人O(バカネタを考えて声を掛けると、だいたい乗ってくる変な人。一級建築士保持)を用意する。

STEP2:「よろしく!」「ええー!?」

STEP3:完成。


 ほら、簡単だろう? なに? 高校時代の友人にOがいない? それは困ったな。日本の高校卒業者の99.99999%には友人Oがいると、帝国データバンクの調査結果にも出ていたはずだが。そんな希有な存在がこんな身近にいようとは、僕のこの広大無辺な阿頼耶識にすら浮かんでさえこない仮定だったよ。まさしく事実は小説よりも奇なり、だね。いやはや、君はいつでも、僕の想像の最低最悪の部分をすら、やすやすと遙か下を行く。シャッポを脱ぐよ。

 では、自分で作ってもらうしかないね。少々手間とお金は掛かるが、本格的で楽しく、たくさんの枚数を短時間で焼ける石窯か、簡単無比、10分、1,000円もかからずできるが、焼くのに少々時間が掛かるダンボール窯、どちらでも好きな方を選びたまえ。色男でもないくせに、力もなくて金もない、己に分不相応な立派な窯を持ちたいというなら前者を、みすぼらしく貧乏ったらしいその姿を衆目にさらして恥ずかしくもない恥知らずというなら、後者を選ぶといいだろう。


◆石窯の作り方。
http://mad2.shiga-saku.net/e135797.html


◆ダンボール窯の作り方。
http://mad2.shiga-saku.net/e134185.html


 どっちにするか選んだかい? なに、少し悩ませてくれ? いいだろう。休息かたがた、考えるといい。バカの考え休むに似たり、というからね。僕は失礼して、ちょっと席を外させてもらうよ。完成まで、君のバカ面をじっと見ているなんて苦行、ごめん被る。なに? 「酷いことを言うな」? 仕方ないだろう。さっきも言ったが、僕は面倒くさいことと嘘が大嫌いなんだ。


(1時間後)


 できあがったようだね。なるほど、そっちを選んだか。まさしく君に相応しい窯だね。

 じゃあ、さっそくピザを焼こうか。え? この生地? 向こうで僕が作っていたに決まっているだろう。他にどんな答えがあると言うんだ? 君は僕がピザの生地を持ってそこらを歩き回る趣味のある、ご近所でヒソヒソ小声で噂されるタイプの人間だとでも思っていたのか? 君じゃあるまいし。

 なにをポカンとした顔をしている。だから君は低脳だと言われるんだ。言ったろう? 僕は面倒くさいことが嫌いなんだ。君に美味しいピザを食べさせる為でなければ、誰がこんな時間を割いて、説明などするものか。

 さっきまでの罵詈雑言? 君のバカ面を見るのが苦行? 僕の親愛の表現がお気に召さなかったかな? それに言い忘れていたけど。


 僕は、嘘をつかれるのは大嫌いだが、つくのは大好きなんだ。


 さあ、焼き上がった。食べようじゃないか。残したりなんかしたら承知しないよ? まあ、その心配はないだろうが。なにせ、この僕が精魂込めて作った生地だ。厳選、最高の材料と技術に、秘伝の調味料まで入れてあるからな。なに? なにを入れたのかって? あるだろう? 昔から「最高の調味料」って呼ばれてるものが。そう! それだ! なに? 「空腹」?

 ・・・・・・だから君はモテないんだ。いいからさあ食べたまえ! 入れたのが何か分からなくても、それを食べれば、今度は君が僕に抱くようになるよ! 僕が込めたのと、同じ気持ちをね!  


Posted by MAD at 02:30Comments(0)ピザ窯。