2007年11月18日
トリツカレツクチテ。
神戸まで、演劇集団キャラメルボックスの芝居「トリツカレ男」を見に行ってきた。
原作は新潮社から出ている同名の書籍。ストーリーは以下である。
「ジュゼッペのあだ名は「トリツカレ男」。何かに夢中になると、寝ても覚めてもそればかり。オペラ、三段跳び、サングラス集め、潮干狩り、刺繍、ハツカネズミetc.そんな彼が、寒い国からやってきた風船売りに恋をした。無口な少女の名は「ペチカ」。悲しみに凍りついた彼女の心を、ジュゼッペは、もてる技のすべてを使ってあたためようとするのだが…。まぶしくピュアなラブストーリー。」
内容(「BOOK」データベースより)
大人のための童話のような物語である。余談だが、この1週間ほど前に見に行ったピースピットの主催末満健一氏も、この作品を演劇化したかったそうで、先を越されたとパンフで悔しがっておられた。なるほど、氏の作品に似た雰囲気を持つ、柔らかで暖かな、春の宵のような物語である。
以下、ネタバレを含みつつ、感想。
俺の好きなO・ヘンリ−の短編に「千ドル」という作品がある。
遊び人の甥が、「使途を報告すること」という条件付きで、富豪の伯父の遺産として千ドルを受け取る。甥は悩んだあげく、伯父の家に寄宿していた孤児の女性にそれをプレゼントする。
「遺言状に“貴方に千ドル遺贈する”という追記が見つかったそうで、預かってきました。ところで、僕が貴方のことを愛していることは、分かって下さっていることと思いますが」
「お気の毒ですけれど・・・」
「そうですか」
晴れ晴れとした笑顔で「この世で最も善良で最も親愛なる婦人に千ドルを贈った」という報告書を書き上げた彼に、弁護士達が思いもかけないことを告げる。千ドルの使途がまともなようなら、彼には5万ドルが追贈される。ただし、それが不道徳なものであった場合、その5万ドルは孤児の女性へと贈られるのだと。
弁護士達が報告書を見ようとした寸前、青年はその手から報告書を奪い取り、ビリビリに破って捨てる。
「見るにゃ及びません。あの金は、全部競馬ですってしまいましてね」
そして彼はきびすを返し、部屋を出て行く。廊下からは、陽気な口笛が聞こえた。
――とまあ、そういうお話だ。「トリツカレ男」を見て、最初に俺が思ったのは、この話のことだった。男たるものかくありたい。
ただし、「トリツカレ男」の方は完全無欠にハッピーエンド。ひたむきで純粋で、愚かしくもあるけど微笑まずにはいられない。まさしく「トリツカレ男」ジュゼッペそのもののような、ステキなお芝居でした。
好きになった子のため奔走し、こっそりと彼女の「心配」を解決していくジュゼッペ。少しずつ増えていくペチカの笑顔。けれどたった一つ、どうしてもぬぐえない翳りがあった。ペチカには、故国に婚約者がいたのだ。しかも、その婚約者が1年前、事故で亡くなっていることを、ジュゼッペは知ってしまう。
報われない思いかもと知りつつ、ジュゼッペは走り続ける。ペチカの「曇りない青空のような笑顔」のために。そして、「トリツカレ男」は奇跡を起こす・・・。
いやん。エエ話やわ〜。泣いちゃったよ! 特にタタン先生のゴンドラのシーン。あんたカッコ良すぎるよ!
原作もいいんでしょうな。今まで「トリツカレ」たことがペチカの悩みを解決する上で次々役に立っていく展開や、「トリツカレ男」というタイトルに込められた意味が明らかになる部分など、まさしく「おおお!!!」という感じでした。
原作読もう、ぜひ読もう。
ところで。
前からキャラメルの芝居には極上のコントが挟まれてて、それがなんともいいアクセントになってたんですが。今回と来たら、もう――!!
腹 筋 吊 る か と 思 っ た 。
コントを越えて、ほとんどギャグ巨編。前の「まつさをな」は、新感線の粟根まことさんが客演してたからいいとして、今回は生え抜きばっかでこれかよ!? キャラメルはいつからコミック劇団に!?
もともと“笑えて燃えて泣ける”劇団だったけど、ここ最近暴走中。 喜怒哀楽のジェットコースター状態。腹抱えて笑うわビビるわ泣くわで、見ている方は大変だ! まったくもう、いいかげんにしやがれ! お前ら劇団だろう!? なんでこんなコントの質上げてやがんだよ!?
い い ぞ も っ と や れ 。
さて。
次回の公演には3年振りに上川隆也氏が帰ってくるそうです。
なーにー!?
うわ、キツイ!? 上川さん大好きだけど、あの人帰ってくるとチケット取れねえんだよな! 今回なんて行く3日前に買ったのに前から7〜8列目くらいの、しかも真ん中よりっつーいい席だったけど、次回はそうはいかんだろうなあ。こりゃあきらめた方がいいのか?
――って。
演目は梶尾慎治の「クロノス・ジョウンター」シリーズ最新作!? ぬお、俺を感動の渦に巻き込み、「一度見た作品はほぼ二度と見ない」この俺にDVDを買わせたあの「クロノス・ジョウンター」シリーズの!? うおおおおお、「ミス・ダンデライオン」の感動を今一度ー!!!
くそ、上川ファンの皆様め! 負けん、負けんぞー! チケット、必ず取ってみせる! うおお、頑張るぞー! 俺のキャラメル愛と君たちの上川愛、どっちが上か、勝負だ!
多 分 負 け る け ど 。
前回はヤフオクでしたー! 仕事さぼって1時間電話しまくったけど、まったく繋がらなかったよ! そんなことを言いつつ自分も充分ファンですよー!(フォロー)
遊び人の甥が、「使途を報告すること」という条件付きで、富豪の伯父の遺産として千ドルを受け取る。甥は悩んだあげく、伯父の家に寄宿していた孤児の女性にそれをプレゼントする。
「遺言状に“貴方に千ドル遺贈する”という追記が見つかったそうで、預かってきました。ところで、僕が貴方のことを愛していることは、分かって下さっていることと思いますが」
「お気の毒ですけれど・・・」
「そうですか」
晴れ晴れとした笑顔で「この世で最も善良で最も親愛なる婦人に千ドルを贈った」という報告書を書き上げた彼に、弁護士達が思いもかけないことを告げる。千ドルの使途がまともなようなら、彼には5万ドルが追贈される。ただし、それが不道徳なものであった場合、その5万ドルは孤児の女性へと贈られるのだと。
弁護士達が報告書を見ようとした寸前、青年はその手から報告書を奪い取り、ビリビリに破って捨てる。
「見るにゃ及びません。あの金は、全部競馬ですってしまいましてね」
そして彼はきびすを返し、部屋を出て行く。廊下からは、陽気な口笛が聞こえた。
――とまあ、そういうお話だ。「トリツカレ男」を見て、最初に俺が思ったのは、この話のことだった。男たるものかくありたい。
ただし、「トリツカレ男」の方は完全無欠にハッピーエンド。ひたむきで純粋で、愚かしくもあるけど微笑まずにはいられない。まさしく「トリツカレ男」ジュゼッペそのもののような、ステキなお芝居でした。
好きになった子のため奔走し、こっそりと彼女の「心配」を解決していくジュゼッペ。少しずつ増えていくペチカの笑顔。けれどたった一つ、どうしてもぬぐえない翳りがあった。ペチカには、故国に婚約者がいたのだ。しかも、その婚約者が1年前、事故で亡くなっていることを、ジュゼッペは知ってしまう。
報われない思いかもと知りつつ、ジュゼッペは走り続ける。ペチカの「曇りない青空のような笑顔」のために。そして、「トリツカレ男」は奇跡を起こす・・・。
いやん。エエ話やわ〜。泣いちゃったよ! 特にタタン先生のゴンドラのシーン。あんたカッコ良すぎるよ!
原作もいいんでしょうな。今まで「トリツカレ」たことがペチカの悩みを解決する上で次々役に立っていく展開や、「トリツカレ男」というタイトルに込められた意味が明らかになる部分など、まさしく「おおお!!!」という感じでした。
原作読もう、ぜひ読もう。
ところで。
前からキャラメルの芝居には極上のコントが挟まれてて、それがなんともいいアクセントになってたんですが。今回と来たら、もう――!!
腹 筋 吊 る か と 思 っ た 。
コントを越えて、ほとんどギャグ巨編。前の「まつさをな」は、新感線の粟根まことさんが客演してたからいいとして、今回は生え抜きばっかでこれかよ!? キャラメルはいつからコミック劇団に!?
もともと“笑えて燃えて泣ける”劇団だったけど、ここ最近暴走中。 喜怒哀楽のジェットコースター状態。腹抱えて笑うわビビるわ泣くわで、見ている方は大変だ! まったくもう、いいかげんにしやがれ! お前ら劇団だろう!? なんでこんなコントの質上げてやがんだよ!?
い い ぞ も っ と や れ 。
さて。
次回の公演には3年振りに上川隆也氏が帰ってくるそうです。
なーにー!?
うわ、キツイ!? 上川さん大好きだけど、あの人帰ってくるとチケット取れねえんだよな! 今回なんて行く3日前に買ったのに前から7〜8列目くらいの、しかも真ん中よりっつーいい席だったけど、次回はそうはいかんだろうなあ。こりゃあきらめた方がいいのか?
――って。
演目は梶尾慎治の「クロノス・ジョウンター」シリーズ最新作!? ぬお、俺を感動の渦に巻き込み、「一度見た作品はほぼ二度と見ない」この俺にDVDを買わせたあの「クロノス・ジョウンター」シリーズの!? うおおおおお、「ミス・ダンデライオン」の感動を今一度ー!!!
くそ、上川ファンの皆様め! 負けん、負けんぞー! チケット、必ず取ってみせる! うおお、頑張るぞー! 俺のキャラメル愛と君たちの上川愛、どっちが上か、勝負だ!
多 分 負 け る け ど 。
前回はヤフオクでしたー! 仕事さぼって1時間電話しまくったけど、まったく繋がらなかったよ! そんなことを言いつつ自分も充分ファンですよー!(フォロー)
【ネタバレ有り】キャラメル「南十字星駅で」を見てきたよ!
五右衛門ロック!
【感想】すべての風景の中にあなたがいます。
11月15日(土)晴れ。 2/3
メタル・マクベス。
いつか、どこかで、あなたに会った。
五右衛門ロック!
【感想】すべての風景の中にあなたがいます。
11月15日(土)晴れ。 2/3
メタル・マクベス。
いつか、どこかで、あなたに会った。
Posted by MAD at 18:33│Comments(0)
│観劇録。
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