2007年04月17日
病膏肓。
週間ダイヤモンド4/7号を読んでた。特集は「衝撃の医療格差」。先日のリッツ・カールトン特集に続く総力特集の第二段。まったく、暗澹たる気持ちになりますね。ついに日本の医療もここまで来たか、と。
時間外診療の多い小児科・産科の人手不足が激しく、痴呆の中核病院での閉鎖が相次いでいるという報道は知っていた。「新医師臨床研修制度」により、大学医局の強制的な派遣が行えなくなったためだと思っていたが、しかし、どうやらそれだけじゃなかったようだ。
驚いたのは富裕層にも人気が高く、患者満足度でも日本一を誇る聖路加国際病院でも収支がトントンだと言うこと。朝令暮改の厚生労働省の政策と、診療報酬の改定により、病院の収益は激減。首都圏では年に3件に1件が、休廃業しているという。医者=金持ちだった時代は終わり、今後病院の大淘汰時代が来ると予言する。
一方、患者となるこっちの状況も切実だ。財政逼迫のあおりを受けて、年金は年々減額される。頼みの綱の健康保険も、急増する滞納者に業を煮やした国により、ペナルティ制度が導入された。滞納者からは保険証を取り上げ、代わりに有効期限の短い「短期保険証」を発行。1年以上の滞納でそれすらも取り上げられ、「資格証明書」に変えられる。この証明書の保持者は、受診の際、一旦治療費全額を支払い、後日国保の窓口に、一部負担金を除いた額を請求することになる。
さて、日々の生活費にも困窮するワーキングプア層に、一時とは言え、それだけの額を支払う余裕があるだろうか? ましてや、長期間の継続的通院が必要となった時に。
現に「資格証明書」保持者の受診率は低く、交付世帯が全国一位の神奈川県で健康保険証所持者の32分の1。第二位の福岡県では、113分の1だという。
なんとか近所の病院が踏ん張ってくれていて、通える経済力も保持できていたとして、次に立ちはだかるのは治療の複雑化・高度化。門外漢の自分たちにはどこに行けばいいか、どういう治療が最高なのか判断することすら難しい。
まったく、四面楚歌。暗澹たる状態ですな。
ただ、だからといって手をこまねいていてもしょうがない。「俺は高級官僚か政治家になって、日本の財政と医療を変えてやるぜ!」とか「大金持ちになって自分専用の病院作るぜ!」って傑物ならともかく、そんな気概も能力もない凡人は、持ってるカードでなんとかするしかないのだ。
手っ取り早いのはやはり保険や利殖の道。マリーシアガーデンクリニックのように、富裕層向けの高付加価値医療を掲げる医院は今後も増えよう。株式会社ティーペックの提供する会員制の名医紹介サービスにはいるのも一つの手だろう。会員は同社が指定する総合相談医に相談し、優秀な専門医を紹介してもらう、というサービスなのだが、その総合相談医というのが有名大学や有名病院の幹部クラスなのだという。専門医に対する知識はもちろんのこと、人脈と権威も折り紙付。その彼らが診断の上紹介状を書いてくれるわけだから、その威力たるや推して知るべし、というわけだ。これをズルいと見るか効率的と見るかは人それぞれだろう。
聖路加国際病院などの有名病院の人間ドックと電話相談・名医紹介サービスなどがセットとなった個人プラン(会員と配偶者の1親等までがサービス範囲)で、入会料は5万2500円。別途月会費が毎月1万500円かかる。そこそこの金額だが、保険と考えると悪くないと俺は思う。その病気に通暁した名医がどこにいて、適切な処置とはなにかという“知識”と、そして治療までに要する“時間”は文字通り、命に関わることだから。それが年間12万くらいで買えるなら安いもんだ。考えてみりゃ普通乗用車の年間保険料+JAF代と大差ないし。
そんな金がないなら、自分でその知識を得るしかない。今回のこの週間ダイヤモンドのような特集号や医者や病気の紹介本、それになによりインターネットがある。知識の収集手段には事欠かない時代だ。それを取捨選択し、判断するという作業は必要となるが、それは致し方ない。
金がないなら知恵を出せ。知恵もないなら汗をかけ。ルール自体を変えようとしない以上、そのルールの中で全力を尽くすしかない。9回2アウト満塁になってから「こんなはずじゃなかった」と嘆いてももう遅いのだ。まだ逆転できるうちに手を打っておこうじゃないですか。
なあ! そうだろ!? 自明の理だ。分かっているのか!?
オ レ 。
暴飲暴食甘い物好きで、糖尿病の可能性が本気でビッグです。名医紹介サービスとか入る前に、ダイエットとっととしろハゲ、と思います。いや、思いますって自分のことなんだが。人間、理性のままには生きられないものですねはっはっは。
Posted by MAD at 15:25│Comments(0)
│俺メモ。
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