2007年10月24日

North East West South。

 今週の「週刊東洋経済」読んでたら、「HOT&COOL」ってコラムで、初音ミクが紹介されてた。

「「初音ミク」。そう名づけられたバーチャル歌手が、今、ネットを中心にブームとなっている。
今年8月31日に発売されたDTM(デスクトップミュージック)用の音声作成ソフト『VOCALOID2』はメロディと歌詞を入力すれば、録音された声を再生できる。ヤマハが開発した最先端音声技術を採用し、リアルな歌を再現。アニメ声優を起用した萌え系キャラクター(=初音ミク)と組み合わせたことで、「人のように歌う」とネット上で大受けした。」

と、やや生硬ながらも、順当なご紹介。

 ただ、「「ユーチューブ」などの動画投稿サイトはファンが自作曲を歌わせ、それをさらに別のファンがアニメ化をするなど、盛り上がりを見せている。」と紹介しているなど「?」な部分もあったけど。

 「初音ミク」ブームの震源地が動画サービス「ニコニコ動画」であるってことは論を待たないだろう。「ニコニコ動画」はyoutubeと同じ動画投稿サービスだが、それに“動画上で”レスを入れられるという画期的システムで熱狂的に支持された。自分の作成した動画に対してリアルタイムのレスがつき、さらにそれが二次利用されて広がっていく。さらに人気ランキングの機能も持ち、そういった「直接的な」手応えが制作者のモチベーションを上げていったのだ。

 多分、「ニコニコ動画」は主要読者層に知られてないうえ、アングラに過ぎるってんで変えられたんだろうなあ。名前も名前だし。


 そういえば、去年アニメ制作会社のGDHことGONZOが赤字転落した時、その報道の中に「赤字転落の原因は、youtubeなどの動画投稿サイトに自社作品がUPされ、DVDの売上が落ちたため」というコメントがあって、「おいおいおい!!」と思ったことがある。

 ある程度のオタクなら自明のことだが、去年のGONZOの赤字転落は、「作ったアニメが人気なかったから」だ。「NHKにようこそ!」なんて痛い自虐アニメを、DVDを買うようなマニアな層が喜んで買うはずがない。同じ自虐でも『絶望先生』のようにそれを見事に「ネタ」として昇華してるならともかく、ああいう「痛い部分だけをリアルに取り出しました」なんてアニメを、DVDで何度も見返したくなんぞ無い。

 だいたいその理論なら一番UPの多かった『涼宮ハルヒの憂鬱』は、もっとダメージを受けてるはずだろうに。プロダクションI.GとGONZOは、ファイナンス方式の資金集めなど新機軸を打ち出すなど、中間搾取で壊滅しそうになっている日本アニメの制作会社を救いうる可能性を秘めた会社なんで、もうちょっと頑張って欲しいですなあ。

 それはさておき。自分が知っている業界の記事だと、時々そういう違和感を感じることがある。自分が知らないだけで、他の記事にもそういうことは多いんだろうなあ。会社の人と話してても、「新聞に偏向がある」ってことすら認識してない人が大多数だもんな。

 海外だとたとえば「ワシントン・ポストを読んでる人」=民主党支持者のリベラリスト、「ザ・ウォールストリート・ジャーナル購読者」=共和党支持の保守派みたいにある程度くくれたり、イギリスとかなら所属してる階級まで、ある程度推測が付くという。もちろん新聞も、そういう層に向けてカスタマイズした記事を提供している。日本じゃ新聞=公正中立ってみんな信じてるもんな。右左もちゃんとあるのにね。裏で販売部数以上の新聞を販売店に押しつける「押し紙」や、再販制度維持のためにそれに反対する政党や政治家を別件で非難するなどの後ろ暗いことも、ちゃんとやってるのにね。・・・それを「ちゃんと」って言うのはおかしいか。

 情報をただ無分別に受け入れるだけじゃなく、その真贋を見極め、選別するフィルターを持ちたいもんですね。え? 僕ですか? もちろん万全ですよ!


オ タ ク ・ フ ィ ル タ ー だ け は 。


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