2007年12月14日

超ラノベ風妄想バトン。その6。


6、ある日帰ってきたらベッドに【NORIMITSUさん】が横たわっていました


 あれから、1週間が過ぎた。

 目が覚めると、NORIMITSUの痕跡はなにも残ってなかった。壊れたはずのドアはちゃんとくっついていて、割れた窓ガラスなど1枚もなかった。

 きっと、あれは夢だったのだろう。今にして、俺は思う。昔からアニメやマンガが好きだった。あんな主人公達みたいな冒険が、俺にもやってこないかと、子供の頃には真剣に待ちこがれていたものだ。今でもその思いを捨てきれていない。そんな思いが見せた夢だったのだろう。

 まったく、リアルな夢だったもんだぜ。苦笑して、俺はドアを開けた。あまりにリアルで、だから今でも、ドアを開けるたびに奴が帰ってきてるんじゃないかと期待してしまう。

「「おかえりなさい」」

 ほら、こうやって。


 ・・・。
 ・・・・・・。
 ・・・・・・・・・。


 あれ?

 俺は扉を閉めて、もう一回開けた。そこには、赤い服を着た金髪、銀髪の二人の童女が座っていた。

「すいません! 部屋間違えましたー!」
「「いや大丈夫! ちょっとお待ち下さいませー!」」
「ぬおっぷ!?」

 慌てて閉めようとしたドアを銀髪が押さえ、金髪が俺の肩に飛び乗った。肩車のような格好から、首に搦めた両足はそのままに、腰をひねって下へと落ちる。

「ふ、フランケンシュタイナー!?」

 その華麗なまでの体重移動に吹っ飛ばされた俺は、そのままゴロゴロと部屋を転がって、奥のふすまを吹っ飛ばしてようやく止まった。

「アタタタタ! なにしやがんだコンチク・・・あれ?」

 打った頭を押さえつつ前を向いた俺は、自分のベッドに眠る12、3歳ほどの、天使のように愛らしい少女の姿を見つけて、首をかしげた。はて? どこかで見た覚えが?

「「それは、太夫にございます」」

 後ろから、そう言う声がした。しかしなんでこの二人は、同時にしゃべりやがんだ。そういう遊びか? それとも自主性がないのか? 戦後ゆとり教育の弊害がこんなところに!――って、今なんて言った!?

「太夫!? じゃあ、これがNORIMITSU!?」
「「左様でございます」」

 二人はじっと俺を見つめて言った。


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