2008年12月27日

K井たちの夜。~鳥取旅行殺人事件~(中編)


「つきましたよー!」
「フガ・・・?」

 K井さんの声に目を覚ますと、車は鳥取に着いていた。ほとんどワープであった。ちなみにこの後、俺は車に乗っている時間の実に9割9分5厘寝ているという快挙をなしとげるのであるが、それはまた後の話である。つか、俺がドライバーならそんな同乗者放り出すな。山奥で。

「どこっすか、ここ?」
「お昼ご飯です! しじみ汁食べますよー!!」

 聞くに、そこは今、朝の連ドラでもおなじみの島根の県庁所在地松江であった。鳥取旅行記と言いつつ、いきなり島根に着いている自分のお茶目さに微笑まざるを得ない。

 松江と言えば宍道湖。宍道湖と言えばしじみ。完璧無比なる三段論法にて我々が訪れたのは、そのしじみ料理を名物とする名店「季節(とき)の風 藏」というお店であった。

 松江でシジミ料理を出す店は多かれど、このお店はひと味違う。なんと、経営しているのが米穀店なのだ! お米の専門家とも言うべきプロが、こだわりを持って炊きあげたご飯に「七珍」と呼ばれる宍道湖名物を掛け合わせ、オリジナルの丼ものを提供しているというのだ! そりゃあ行くだろ! そりゃあ食うだろ!! こいつぁ期待できるぜ!


 ま あ 、 探 し て き た の は K 井 さ ん な ん で す け ど 。


 俺はホイホイついてっちゃっただけです。ありがとうK井さん! 調査お疲れ様ですK井さん! このご恩はさっきまで忘れてましたが、思い出したので今年いっぱい忘れません! 


K井たちの夜。~鳥取旅行殺人事件~(中編)


 俺が頼んだのはじゃこ丼。名物のシジミ丼は他の皆が頼んだので、別のにしたのだ。それに加えて、粒が大きいのを選ったという、限定の特上シジミ汁を頼んだ。

 さて、と。まずしじみ汁飲むか。(ずずー)


 旨ス!


 あっさりとした味だけど、なんだろねこのじんわりしたコクは! ご飯も甘くて美味しいし、なんか身体の中がきれいになる気がするよ!

 そう言えば、今回のメンバーは俺を除けば、全員呑み助ばかり。肝臓にいいって言うし、3リットルくらい飲みまくればいいのに、と思った。


 さて満足し、次に向かうは松江城である! 千鳥城の異名を持ち、日本に12箇所しか現存しない、江戸時代以前建造の天守を有する黒鴉の城である。こいつぁ見物だぜ! 車を止めて、さあ行きましょう! うおお、興奮するなあ!


「ああ、MADさん、その前に」
「なんですかK井(嫁)さん」
「舟乗りますよ舟ー♪」
「はぁ!?」


 なんでも、前に来たとき乗った、城のお堀を巡る「堀川巡り」が非常に楽しかったのだそうな。で、皆にもぜひ体感して欲しい、と。


「イヤですか?」
「トンデモ8分、歩いて5分」


 小泉八雲ことラフカディオ・ハーンが愛し、今なお町並みに風情を残す古都松江。そこは昔、水路を張り巡らせた水の港でもあったという。古きその町並みと城を水路から眺め、往事のよすがに浸るというのも一興であろう。


「あ、ちなみにその舟、変形しますから」
「へ、変形!?」

 なんだか意味不明の言葉に不安を抱きつつ、我々は舟へと乗り込んだのであった。続く!


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