2008年10月19日

パレードしようよ。


 つーわけで、一条商店街まで百鬼夜行見に行ってきたよポコペン!

 道具は100年(一説には99年)の時を経ると、付喪神という妖怪に変化するという伝説がある。

 その付喪神となった古道具達が、徒党を組んで百鬼夜行を行った、という伝説を遺す京都の一条商店街が、毎年この時期に、町おこしの為に、百鬼夜行を再現したお祭りを行ってらっしゃるのだ。

 ご自分も妖怪として参加されるネットのお友達やぐさんより、そのことを聞いた俺は、仕事の休みをムリヤリ突っ込み、ここに推参したとまあ、こういうワケなのである。ぶっちゃけ、明日の仕事はえらいことになるのである。認めたくないものだな。若さゆえの過ちというものは。←充分おっさんです

 夕方まで京都の町をブラブラし、夕方5時に友人Oと、烏丸御池で合流。地下鉄東西線で太秦天神川駅まで出たあと、嵐電に乗り換え。帷子ノ辻での乗り換えを経て、終点北野白梅町駅で下りた。


「さて、商店街はどっちだ!?」
「分からん!」

 ここまで来たら、案内のポスターでも貼ってあるかと思ったが、周りを見回しても、それらしきモノはない。手掛かりはと言えば、駅前でたたずむ怪しい妖怪軍団くらいである。


パレードしようよ。


 ってオイー!?

 つか、案内に来たんやったら、せめて立て看板くらい持っててくださいよ妖怪軍団・・・。聞きたいけど、怪しいから声かけずらいっちゅーねん!

 多分こっちだろーという友人Oの案内を信じて、へこへこ歩いていく我々。細い道を縫って歩いていくと、昔ながらの商店街が見えてきた。人通りもそんなに多くない。あれ? これはひょっとして、ハズレかな? そんな疑問が鎌首をもたげてきた次の瞬間。


 視界が、人間で埋め尽くされた。


 なんですかこの人出はー!? 道の端々に、商店街の方が出しているとおぼしき屋台が並び、それに群がるチビッコ軍団! 少子化それどこの話?と言わんばかりにかけずり回るチビッコと、親御さん達! うおお、歩きずれー!

 百鬼夜行の開始点となる大将軍八神社で、あまりの人出に呆然と周囲を見ていると、おやおや、誰だか声をかけてくるやつがいますよ?


「ちゃーッス」
「お! 後輩Sじゃん! なに飲んでんの?」
「ラムネ。いや、祭りといえばお約束かと」
「なにがお約束か分からんが、とにかく分かった」


 と合流。ちなみにこの大将軍八神社、名前でお分かりの方も多いと思うが、陰陽道にからんだ由緒正しき神社である。陰陽道では方位の吉凶を司る八神がいるとされるが、その一柱の名前が大将軍(だいしょうぐん)であり、ここはそれにちなんだ神社なのだ。

 そんなこんなで屋台を冷やかして回っていると、さあ、始まりましたよ! 百鬼夜行! どおれ、どんなものだハッハッハ、このマド原雄山が確かめてやろうではないか!と、勇躍駆けつけたのですが。


 モ ノ ス ゲ エ 。


 こりゃ予想以上でござりますー!?

 前にやぐさんに写真見せて貰ったときから、うすうす察してはおりましたが、この作り込みは半端ねェ!! アレは扮装とか仮装とか、そういうレベルじゃないね。変身だね!

 付けている仮面は硬質。変に現代風にアレンジしたりはせず、『付喪神絵巻』に描かれたままの、おどろおどろしい妖怪像そのままに再現されたその姿は、夜の闇を見事な異界に変えていた。

 付けている者は沈黙。下手に声を発したりせず、皆なにも語らず沈黙を守る。それが彼らの異形の価値を増していた。

 その行列に花を添えていたのが祭り囃子だ。ピーヒャラピーと奏でて踊る囃し手の奏でる旋律は、聞いてるだけで俺も踊り出したくなる。百鬼夜行にずっとついて回ってたんだけど、独特の酩酊感がありました。

 行列は1時間程度でしたが、もうテンションうなぎ登り! 妖怪達が進むにつれ、もう、どいつもこいつも極上の笑顔でかぶりつき! 写真を撮って撮って撮りまくる! 一方で、泣き叫ぶ子供! いやまあ、あんなに泣いてくれたら妖怪も脅かしがいがあるよなあ。「よ、妖怪なんてこわないもん!」と言いつつ声が裏返ってるチビッコ。「あんなんお面つけてるだけやもん! 僕、こわないし!」と言いつつ、腰が引けているお子様。いつの間にか屋台の後ろに隠れている幼女。

 いやあ、あんなに素直な子供ら見ると、嬉しくなりますねえ。ああ、やっぱ俺も妖怪になりたかった・・・。やぐさん羨ましすぎ。orz


 一つ笑ったのは、二人だけ「アンタ、レイヤーだろ!?」と言いたくなった女の子がいたこと。仮面を付けず、化粧と着物だけで猫又やってた子なんですが、ポーズの取り方といい、やたらと堂に入った撮られ方といい、素人離れしすぎ。「なんてジャンルですか!?」「目線こっちくださーい」ってやりたくなりました。お見事でした!(笑)

 いや、楽しかった! そんな俺が言えることは一つだね!


 カ メ ラ は ち ゃ ん と し た の を 持 っ て 行 き ま し ょ う 。


 あの暗さで、写メはムリ! 取れないことはないけど、シャッタースピード遅くて、ブレブレなんしか撮れんし! あああ、みんなにも見せてー! すごいデキ良かったのにー!

 カメラは残念なことをしましたが、ものすごく楽しかったのは事実! あまりの楽しさに、我を忘れてハシャギまくりましたよ! 駆けめぐりましたよ! 靴ずれになりましたよ!


 ・・・。orz


 靴ずれなんて、10数年振りになったよ。呪いカー!? 妖怪の呪いなのかー!?


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Posted by MAD at 03:14│Comments(2)日記。

この記事へのコメント
はじめまして。
大将軍一条商店街の『妖怪のパレード』、最高でしたね。
京都に住んでいて、今回、初めて見ましたがアレははまる面白さです。

夏には、京福電車で「妖怪列車」なる、妖怪たちが乗車して車内の乗客たしを喜ばせ、子供たちを地獄の恐怖に突き落とす、いわゆる「走るお化け屋敷」が実施されるそうですよ。

それにしても、ギャラリーが凄かったですね。
子供、多過ぎ!!
ウチの町内なんか、少子高齢化の極みみたいなもんで、住んでるの、子供皆無で、みんな”ばーちゃん”ばっかりなのに・・・

テンション上がりっ放しだったので、写真、150枚くらい撮りました・・・
撮り過ぎですな。
Posted by 妖怪行列最高でしたね♪ at 2008年10月19日 07:16
●かもめ様
いらっしゃいませー!

本当にすごいクォリティでしたね! あんなに気合い入ってるとは思いませんでした。(笑)

うちの近所もそれなりに子供はいますが、あそこまでじゃないですねえ。半径10kmのチビッコ全員集合したんじゃねえの?くらいの盛りだくさんさでしたね。

写真、うらやましい・・・!!! まわりに見せたいのに、写真ないから布教できないんですもん。次回は、自分もちゃんとしたカメラ持って行きたいと思います。でも、やっぱそれより、撮られる方に回りたいな。(笑)
Posted by MADMAD at 2008年10月20日 00:13
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