2008年08月11日

天路歴程。(下)


 後輩Hの3次会に行ったさい、も一つ寄った寺社仏閣。それが「豊川稲荷」だ!

 3次会までちょっと時間があったので、M先輩に頼み込んで車を出してもらったのである。サンクス先輩!

『豊川稲荷(とよかわいなり)は、愛知県豊川市豊川町1番地にある曹洞宗の寺院。豊川市は当寺院の門前町である。

「稲荷」と称するが神社ではなく寺院である。正式の寺号は妙厳寺(みょうごんじ)、詳しくは円福山 豊川閣 妙厳寺(えんぷくざん ほうせんかく みょうごんじ)と称するが、一般には「豊川稲荷」の名で広く知られる。本尊は千手観音。「稲荷」は鎮守として祀られる荼吉尼天(だきにてん)のこと。

日本三大稲荷の1つとされる。但し三大稲荷の定義には諸説ある』

Wikipediaの同項より)

 異説有りとは言え、日本三大稲荷の一角! 伏見稲荷近郊に学舎のある京都の某R大に通い、朝までの飲み会&徹カラの後に、ご来光を仰いだりした我々である! 同じ稲荷の別格本山、豊川稲荷を前にして行かないわけがあるだろうか! いいやそんなはずはない!(反語)

 とゆーわけで行ってきましたよ! 着いたのは夕方5時過ぎ。オフィシャルの駐車場は閉まってたものの、近くに私営の駐車場を見つけて駐車。我々は敢然と豊川稲荷へと突入した!

 境内は相当にだだっ広く、石造りの建物が映える。伏見稲荷もそうなのだが、よその神社に比べ、稲荷系がやたらと建物が立派なのは、やはり商売繁盛の神様ということで、喜捨が多いからだろうか? この辺だとトヨタ系列の国際優良企業も多いだろうしなあ。さぞかしお布施も弾んで――と、大変下世話な想像を巡らしつつ、境内を一周する。

「法堂の開基、今川義元公って書いてありますよ?」
「マジでか! このあたりって今川の勢力下だったんだなあ。今川義元って第六天魔王様の桶狭間デビューがあまりに鮮烈すぎて、なんかかわいそうなイメージになってるよね。お歯黒付けたり。麿(まろ)だったり」
「本当はけっこう武闘派だったのにねえ」

 そんな会話を挟みつつ、立派な本堂に回廊をめぐり、お賽銭を入れて真言を唱え、奥へ奥へとさらに足を進めると、ありましたよ! 豊川稲荷名物「千本幟」!!

天路歴程。(下)

 伏見稲荷の名物に朱色の千本鳥居(暗いときに通ると死ぬほど恐い)がありますが、ここの名物は千本幟。願い事を託して一本建てると、千日お参りしたのと同じ功徳が得られるそうです。ちなみに、心願成就の折には、赤い幟に差し替えるみたいです。ちなみに、この幟に描かれた、如意宝珠をモチーフにしたらしき印が大変格好良かったが、写真撮ってくるの忘れた。無念。

 そして、この千本幟の向こう側! 無数の霊狐像が建ち並ぶ霊狐塚があった!!

天路歴程。(下)


 夕 方 だ と ギ ガ ン ト 恐 エ エ 。


 こっちを!? こっちを見てる-!? 基本的に目が恐いです霊狐様!

「可愛いフィギュアもあんだけどなー」
「フィギュアって言うなー!?」
「あそこに萌え石像作って飾ったらウケるかなー」
「ウケねえよ!」
「でも、商店街かなんかに狐娘(ここ)ちゃんて萌えキャラもいたし」

天路歴程。(下)

「さすがお稲荷様! 商売上手だー!?」


 なんとなくバチが当たりそうな気がしたので、500円もお賽銭入れてきた。どんだけビビッてんだ俺様。


「いやあ、来て良かったね! 見応えのあるお寺でしたな!」
「まったくですな! 本堂へ続く回廊も立派だったなー」
「ご祈祷してもらう人は通れるみたいでしたけどね」
「ぜひ通ってみたかった! ついでに、お祓いしてくれるのが巫女さんなら、1万出しても惜しくない! できたらこー、狐のお面をハスにかぶってですね! お尻に尻尾なんて付けてくれたら僕は! ぼかぁもう!」
「狐憑きになって死んでしまえ」
「バカな! うちの店の子(倖田來未似のパンピー)も『女の子なら、一度はコスプレしたいもんですよ。尻尾とかつけたいなー☆』って言ってましたよ!? しかもここのご本尊は荼吉尼天! 性愛を司る神様ですよ!? きっと本堂の裏では、白拍子たちがあーんなことや、こーんなことを!?」
「心臓食われて死んでしまえ」

 関係ないですが、ここでは俗説に寄れば、「平八狐」という狐もお祀りしておられるらしいです。この「平八狐」っていうのがどういう謂われがあるのかよくわからんので、また調べてみよう。

 狐って狸に比べると、あまりキャラの立ったのがいないんだよな。

 民話で悪さする狐はいるけど、「人格」まで持ったのがほとんどいない。後は一気に、安倍晴明の母親の葛の葉や、金毛九尾狐のような、神様や精霊のような存在になっちゃうんですよね。やはり、お稲荷様のイメージのせいだろうか?

 一方で狸は人間くさいというか、キャラが立ってるのが一杯いやがってですね、しかもなぜか、侠客(ヤクザ)のイメージが付与されているとゆー。代表的なのが阿波の金長狸や日本三名狸である。

 阿波の金長は、いわゆる「阿波の狸合戦」で有名。ある日、大勢の人間に狩られそうになっていたところを、日開野の茂右衛門という商人に助けられた狸の金長は、その恩を返すべく茂右衛門の店で奉公することになる。それ以来客筋も良くなり、なにか問題が起きても金長が助言をして助けた為、茂右衛門の店は大層繁盛した。

 何年か経って、自分はまだ修行が未熟と思った金長は、茂右衛門に暇を請い、子分の藤の木の鷹をつれて、名東郡津田浦の化け狸「六右衛門」に弟子入りする。六右衛門は四国の狸の総領で、悪事を働く筋の悪い狸だったが、変化の術は天下一だったのである。

 しかし、金長の才はそれを上回り、修行するうち、六右衛門を越えてしまった。焦った六右衛門は彼を身内に引き込もうと、金長に思いを寄せていた娘小安姫とめあわせようともくろむ。しかし、茂右衛門への恩義を返さねばならない金長は、それを断って六右衛門の元を去る。

 このまま行かせては将来の禍根になる。六右衛門はすぐさま配下の狸を使い、帰途の金長を襲わせる。多勢に無勢だったが、金長は藤の木の鷹の犠牲のもと、命からがら逃げ延びることに成功した。

 六右衛門許すまじ。日開野へ戻った金長は、すぐさま仇討ちのための檄を飛ばした。藤の木の鷹の息子をはじめとした仲間や、日頃より六右衛門の暴虐をよく思っていなかった狸たちがその下へ集う。その数、実に600匹。そのころ、六右衛門もまた、同数の手下を集め、迎撃の態勢を整えていた。


 かくして両軍が対決したのが「阿波の狸合戦」である。


 天が割れ、川を血が赤く染める激闘は三日三晩続いたが、ついに金長は六右衛門を討ち取った。しかし、その時、金長もまた刀傷で致命傷を負っていた。

 金長は死力を振り絞って日開野へ帰り、大恩ある茂右衛門に礼を述べ、力尽きた。茂右衛門はその生き様に心打たれ、金長神社を建てて祀ったという。

 とゆー話である。詳しくはWikiの同項でも読んでくれ。

 なげえ! 超なげえ! つか、狸のくせに刀傷ってなんだ!? ちなみに金長神社、行った事ありますが、いい神社でした。でっけえ狸の象は立ってるわ、めっちゃ新しい感じだわで、おごそかな雰囲気はありませんでしたが、それがまた相応しいというか。

 お土産の金長饅頭も美味しかったよ。つか、その饅頭のチョコ餡バージョン「金長ゴールド」に入ってた由来説明の紙見て興味持って、見に行ったんだけどな。

 ちなみに、その合戦のあと、再び起きた第二次合戦を仲裁したのが日本三名狸の一角、屋島の禿狸。平重盛に救われたという狸の末裔で、四国の狸の総大将。幻術においては日本一と言われ、大寒の日になると屋島に集まった300匹の眷族を前に、かつて自分が見た源義経の八艘飛びや、弓流しといった源平合戦の様子を幻術で見せたのだそうな。俺も見てえ。

 ちなみに日清戦争や日露戦争で、いくら銃弾を浴びせても倒れない、謎の兵士の一団がいて敵方を大いに怪しませたと言うが、それはこの屋島の禿狸とその子分達だったとの伝説があるそうです。ワールドワイドだな。

 同じく日本三名狸の団三郎狸は、佐渡の狸の総大将。「悪さをするばかりでなく、困った人には金を貸していた。その金は人に化けて金山で働いたり、盗んだりして稼いでいたという。また、団三郎の住処は相川町下戸村にあり、借用書に金額、返却日、自分の名を記して判を押して置いておけば、翌日にはその借用書は消え、代りに金が置いてあったという。」
(Wikiの同項より)

 とのこと。粋ですな。そして日本三名狸、最後の柴右衛門狸はと言いますと!

「中座で芝居の興行中、木戸銭に木の葉が入っていたので調べると芝居好きな狸が化けて芝居見物をしていたので皆でつかまえて殺してしまう。
それ以降、中座から客が遠のいたため狸のたたりだと感じた人たちが狸の出身地だった三熊山にお参りするようになった」


 ど こ が 「 名 狸 」 だ 。


 器、小さッ!? 大将でもなんでもないよ!? ただの芝居好きだよ!?

 その他、松山でお家乗っ取りを企み、果たせず封じられた狸の“八百八狸”隠神刑部や、分福茶釜に似たユーモラスな伝説を持つ浄願寺の禿狸など、やたらキャラの立ったのが多いです。おもしれえなー。

 しゅっとした高貴な美形が多い狐と、庶民的な狸って感じですかね。友達になるなら狸、取り憑かれるなら狐がいいなー。まあ、だいたい狐に憑かれると、精搾り取られて死んじゃうんですけどねッ! まあ、それはそれで!(どれだよ)


 そんな感じで、豊川稲荷は大変いいお寺でした。終わり。


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Posted by MAD at 01:52│Comments(0)日記。

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