左ななめうえ３０ｃｍ。

　今日、レーシックの適合検査を受けようと電話したら、予約満杯だった。しまった！　平日の昼間だから余裕だろうと油断してた！

　つか、なんで平日の昼日中に、のんきに検査なんざ受けてる奴がそんなにいるんだ。仕事しろ仕事！←お前もな


　しかし、予約が満杯なのは仕方ない。突然ポッカリと予定が空いてしまったので、思い立って阪急メンズ館に行くことにした。

　忘れもしない。以前寄ったのは、ヨドバシカメラにヘッドホンを買いに行ったあの日だった。「そーいえばここ数年、まともに服買ってないなー。旅行前に、どれひとそろい」と立ち寄ったのが運の尽き。店員さんの巧みな話術に踊らされ、気づいたら２店で１０万超の出費を強いられていた。まさしく出血大サービスである。サ　ー　ビ　ス　し　た　の　は　俺　だ　が　。　なお、その出費を受けて、ヘッドホン購入計画は無期延期になった。認めたくないものだな。若さゆえの過ちというものは。←つい最近です。

　その時買ったパンツの裾上げを頼んでから、もう２ヶ月になろうとしている。さすがにこれ以上引っ張るわけにはいかない。そんなわけで、俺ははるばる大阪まで出張ったわけなのであった。以上、解説終わり。


「いやー、思ったより残りましたよ！」


　パンツを取りに行ったお店のお兄ちゃんは、大喜びだった。

　俺が買ったのは裾にジッパーが付いているタイプの綿パンだったのだが、これが足が長い人専用とゆーか、短足は消えろとゆーか。純日本人体型を誇る俺が試着したところ、そのまま長い部分をカットしたら、ジッパー部分が全部カットされて残らないという素晴らしさだったのである。さすが俺。昔間違ってベルボトムを買ったが、裾上げ終わったら普通のＧパンになっていたのは伊達ではない。（実話）

「いやー、別にジッパーなしでもいいですよ？」
「マジッスか！？」

　そう言ってあげたときのお兄ちゃんの笑顔は、ちょっとここ数年見たことがないほど極上の笑顔だった。ゴメンな短足で。

　それほど店員のお兄ちゃんを不安のどん底に追いやった我がパンツであったが、さすがメンズ館に入るほどのブランドと言おうか、見事に違和感なくジッパーも残した裾上げがなされていた。どーやったんだ？　まったく理解できん。

「いいデキでしょ！　今日はなにもいりませんか？」
「んー、じゃあ、このパンツに合うＴシャツでももらうかな？」
「あ、今日お時間おありですか？」
「レーシックの検査受けようと思ってたのが流れたんでねえ。あれ？　前の写真入りのＩＤから、バッジになったんですね」
「研修終わりまして！」
「あの写真凄かったですよねえ。金髪でヒゲ生えてて、眉毛も細くて。ミナミとかですれ違ったら、１００％避けるみたいな顔でしたよ！　それが今はそんな優しげなイケメンで、『なにがあったんだー！？』って思ってたんですよ！」
「えええええ！？　そんなキツかったですか僕！？　あれ、大学２回の頃の写真なんですけど」
「若返ってる！？　今１０歳は若返ってるよ！？」
「うはは。あ、今年はアメカジ来ますよアメカジ。どうです？　あとこの辺にアクセ入れるといいですよ！　ホーンのヘッドは定番ですけど、ゴールド合わせたりするとさらにいい！　今年来ます！」
（横から）「絶っっ対嘘です。信じないでください。来ません」
「来るよ！？　絶対来てるって！　雑誌見てもガンガン載ってますよ！　僕本当はシルバーアクセの店で働きたかったんですもん！　信じてくださいお客さーん！」

　などなど、気づくと一人で２時間も店にいた。その間他に客来なかったんだが、大丈夫なのかあの店。まあ、俺が大声で騒いでたから、とゆー説が有力だが。

　あー、面白かった。じゃあ、これ。


「はーい、５万５０００円でーす☆」


　ま　た　や　っ　た　。

　ちょ！？　なんで俺Ｔシャツだけ買いに来たのに、アウターとアクセまで買ってんの！？　アクセなんて、産まれてこの方１度しか付けたことないよ！？　あﾞあﾞあﾞあﾞあﾞ。

　いかん、話が盛り上がったら思わずいらんもんまで買ってしまうこの癖、治さないと破産する！　ボーナスが！　俺のボーナスがぁぁぁ！！！！


　レ　ー　シ　ッ　ク　も　延　期　に　な　り　ま　し　た　。