<前回までのあらすじ>
「な!? この写真は!? まさか、あの配達員は……まさか!?」
「ふふ」
「バカな!? なぜ貴様がここに!?」
「愚問だな、Pよ。この世にネタがある限り、俺はどこにでも現れる! それが紳士! 紳士・ザ・MADの生きざまよ!」
「おのれ-! この変態紳士がー!」(ボカーン!)
「さらばだ、P。イカ……うまかったぜ?」
さて。
丁々発止、チョウチョウサンバでチャンバも走る熱戦を見事に制し、Pさんに完勝した我々が次に向かったのは、大学時代の学友、“佐賀の生臭坊主”こと“佐賀のパタリロ”こと“アパッチ魚人君”こと“潰れあんまん”こと“腐れ肉まん”こと(以下千行削除)Sの家であった。
キキキキキーッ!!
太陽こそガッツリ下に落ちたモノの、平野と田んぼばかりで全然日が暮れない佐賀の道をかっ飛ばし、俺たちは寺の駐車場へ車を止めた。親指をぐっと上げ、かたわらの友人Mへと合図を送る。ニヤリと笑うと、奴はスチャっとケータイを取り出した。
(Trrrrr.........ガチャ)「あー、S? 今いい? 今日休み? なにしてんの? へー、ゲーム? そうなんやー。じゃあ今ヒマなんやー」
そして奴はニヤリと笑うと、言いはなった。
「 じ ゃ あ 、 メ シ 食 い に 行 く ? 」
そして、すかさず俺にケータイをパス!
『ちょ、お前今どこいるんやー!?』
ケータイから、慌てふためく生臭坊主の声が響く。OK、M、いい仕事だ! さあて決めてやるぜ! 最後の仕事をよぅ! 俺は思いっきり息を吸い込むと、電話向こうの魚人めがけて叫んだ。
「オルァーッ! 人がわざわざ迎えに来たってんのに、いつまで待たせんじゃゴルァーッ!!!!」
『ハァァ!? MAD!? お前までいんのかー!? なにしとんじゃー!?』
受話器の向こうから響く、スッコーン!とあごの落ちる音を聞きながら、我々はPさんに続く、連続勝利の味をかみしめていた。
そして、3時間後。某隠れ家居酒屋で美味しい食事と、トークを満喫した我々は
「1988 君はここにいる♪ ひとりきり明日をみつめて♪ 1999 君はどこにいる New age's comin' up♪ Everybody children of century!」
「「New century!!」」
な ぜ か カ ラ オ ケ に い た 。
「うおお! 乗ってきた! ようし次はCarol行ってみよー!」
「なにそれ行くの!? じゃあ俺は『In The Forest (君の声が聞こえる)』で続けちゃうよ!?」
「ぬう、ならば『Chase In Labyrinth』も入れざるをえんな!」
しかも、前半はともかく、後半はTMNetworkオンリーカラオケ。なんで俺は佐賀くんだりまで来て、こんなマニアックなカラオケやってんだ!?
楽 し す ぎ る だ ろ 。
『SPANISH BLUE』や『ALL-RIGHT ALL-NIGHT』、『Confession~告白~』『TELEPHONE LINE』あたりはいいとして、『kiss You』や『ACCIDENT』なんか、カラオケで始めて歌ったぞ!?
『Your Song』に『Self Control』、『Resistance』『SEVEN DAYS WAR』あたりですら、「メジャーだから」とあえて入れないカラオケ。なんてスパルタンなんだ。ちなみに、最後の曲は『Still Love Her-失われた風景-』でした。最高すぎる。
「しかし、なんですなあ」
「ん?」
「1999 君はどこにいる♪って、まさかその10年後に刑務所にいるなんて、本人も思わなかっ――」
「わー!? わー!? わー!?」
早く罪を償って、戻ってきて欲しいもんです。できれば、昔のアレンジでライブツアーやってくれること希望!
お店の閉店時間、3時まで歌い尽くし、我々の夜は更けていったのであった。続く!