舟幽霊。
先日会社で「浴衣着て水まきする」ってイベントがあったんで、それに使ったひしゃくと桶を片付けてた。関係ないけど、浴衣は男の浪漫だね! 浴衣のあのかろやかな柄と、えりから垣間見えるうなじの色っぽさのコントラストはまさしく芸術! 言語などという限りある表現手段では現しきれないね!
女性のうなじとかかとは、世界遺産として保護すべきだと思います。割と本気です。
「うなじ~♪ うなじ~♪ うなぎじゃないのようなじはハッハー♪ 好きだと言ってるじゃないのホッホー♪」(ガッチャガッチャ)←オケと柄杓を仕舞いながら
「セクハラで訴えんで、ホンマ。ちゃんと無くさんよう、片付けんねやで?」
「まかせとけA子! ひしゃく柄杓~♪ 舟幽霊に貸すときは要注意だ柄杓~♪」(がちゃがちゃ)
「は? なにその曲? なに訳分からんことゆーてんねん?」
「ハ? そっちこそなにをゆーとる。舟幽霊知ってるやろ? なに知らん? B子もか!?」
「うん、うちも知らん。なにそれ?」
「はあああああ!? アホか、そんなことも知らんのか! ああ、ゆとり教育の犠牲者がここにも!」
「いや、おないだから」
「ええ!? じゃあお前らも今年成人式!? ――OK、分かった。先生ちょっぴりウソついた。コレこの通り、男らしく謝ろう。だからそのハサミは下ろしなお嬢ちゃん」(胸を張りながら)
「……ちょっぴり?」
「ちょっぴり。(胸を張りながら) 舟幽霊つーたら、アレですよ! 海で溺れた人のお化けですよ! 舟で漁とかしてると現れてやなあ、『柄杓貸せー』って言うから、この時柄杓の底を抜いて渡さんと、舟にざぱざぱ水を入れられて大変危険」
「聞いたこともないわ!」
「なんやとー!? 貴様さては水木しげるの妖怪大百科を読んでねえな!? 俺の子供ん時の愛読書やぞ!?」
「うわー、子供ん時から訳わかんないもん読んでたんな」
「立ち読みだけどな」
「立ち読みかよ!?」
その後、俺的子供時代最強恐怖妖怪だったうわんの恐ろしさや見上げ入道が出たときの対処法、豆腐小僧の持ってる豆腐を食べると体中にカビが生えて死んじゃうから食べちゃダメだよといった、大変ためになる話をしてやったのですが、気づくと僕一人でした。なぜだ。
ま さ か 神 隠 し に 。
助けてハクー!? 千と千尋見たこと無いけど!
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