この前『うる星やつら』の竜之介の親父が波をバックに「海が好きー!!」って叫んでる画像が必要になり、BOOK OFFまで探しに行ってきた。結局見つからなかったけど。どうもあれはアニメの演出だけの演出だったらしい。15巻から最終刊までがんばってチェックしたのに! くそ。
そん時ついでに、気になってたマンガを何冊か、買ったり読んだりしてきた。
そのうちの一つが『聖☆おにいさん』。現代によみがえり、下町のアパートで暮らすイエスと仏陀の日常を描いたほのぼの系ギャグマンガなんだけど、コレすごいね。いや、面白かったのはもちろんだけど、これが累計100万部近いほど売れてるのがすごい。
読んでて、『美味しんぼ』に出てきた、落語の話を思い出した。快楽亭ブラックが初めて出てきたときの話だったと思うんだが、「千早振る」という有名な落語のネタを例に挙げ、江戸の庶民がいかに文化的素養が高かったのか、ということを語る下りがあったのだ。
簡単に言うと、「先生」の異名を持つご隠居が、小倉百人一首に納められている在原業平の歌「千早振る神代も聞かず龍田川からくれなゐに水(みづ)くくるとは」という歌の解釈を聞かれて見栄を張り、知りもしないのに突拍子もない珍解釈を繰り広げる、と言う噺である。もっと詳しい噺が知りたい向きは、、書くの面倒くさいから、この辺でも読んどけ。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8D%83%E6%97%A9%E6%8C%AF%E3%82%8B" target="_blank">
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8D%83%E6%97%A9%E6%8C%AF%E3%82%8B
http://www.niji.or.jp/home/dingo/rakugo2/chihayafuru.html
もちろんこの噺は、歌の本当の意味を知らないと面白くない。落語の聞き手である江戸の庶民は、この歌も、その解釈も知った上でこの噺を楽しんでいたのだ。ただの、庶民が。なんと豊かな文化的豊潤であり、粋な笑いの文化であろうか。まあ、そんな解説がなされていたわけだ。
日本人のやたら勉強好きな国民性は昔から変わってないらしく、確かに当時から庶民も「自己修養」や「道楽」として学問を行う人は多かったという。例えば蘭学者にして政治家の渡辺崋山など、田舎の農村で開かれた書画会に参加し、自筆の書画を売りまくったという逸話が残されているのだそうだ。また、一般の庶民によって、「算術の難問が解けたお礼」として、あるいは後代に至って「解けるものなら解いてみろ」という挑戦もかねて全国の寺社仏閣に奉納されたという「算額」のレベルの高さもまた、つとに知られるところである。明治維新からの発展は、そう言う素地があったからこそ可能だったそうで。
『聖☆おにいさん』を読んでて強く思ったのは、それと同じことだ。
この本を楽しむためには、同じく素養が必要だ。基本的にギャグがほとんどイエスや仏陀の伝説にちなんだものなため、その元ネタ(と言ってもいいのか)を知らないと楽しめない。
たぶん、こんなマンガが出版できて、しかもそれを理解して楽しめる人がウン十万人もいる国って、日本くらいだと思う。理解できるほど深く伝説が膾炙している国ならば、普通「不敬」だと言って販売できないだろう。信仰もしていない宗教の伝説や説話をこれほど深く知っており、なおかつ目くじらを立てずに楽しむことができるほど「ユルい」宗教観を持っている国は他に無かろう。
日本、スゲエ。
ちなみに、この本の感想でよく「ムハンマド(マホメット)はやっぱ出てないんだな」という揶揄を見かけますが、そりゃ仕方ないですよね。「預言者ムハンマドの絵を描く」ってことは、「=偶像化する」ってことであり、それは偶像崇拝を禁じているイスラム教では、タブー中のタブーなので。もう、豚肉なんて問題にならんほどの冒涜兼敵対行為。宗教としてのアイデンティティの全否定に繋がることなので、そらムリだわ。それを「狭量だなあ」というのは、やっぱり違う気がする。
だいたい、歴史的に考えると、イスラムってのはスゲエ寛容な宗教だったわけで。この前2chのまとめサイトで「宗教を同人に例えてみる」って記事を見て爆笑したんだが、これが見事な比喩だった。
222 Trader@Live! sage 2009/03/09(月) 17:33:20 ID:theOJNI1
1550.50
>>207
だから、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教の宗教戦争は
「勝手に人のキャラ使って同人作るな!」
「うるさい弱小サークル!ウチの同人誌が万部売ったんでお前んとこも有名になったんだろうがヨ!」
「カップリング(解釈)が違うサークルは認め無ーい!」
で、大体説明がつく。
まあ、キリスト教系に限らず宗教戦争なんて皆そんなもん。
コミケ会場みたいに皆それなりに仲良く同居している日本やインドが珍しいんであって。
234 Trader@Live! sage 2009/03/09(月) 17:44:53 ID:XiXh+xcQ
>>222
それが日本やインドだとキャラが違っても、カップリングが違っても
うちはうち。向こうは向こうで終わってしまうのが面白いところ
日本なんかだとみんなに馴染めない人はオンリーイベント(諏訪信仰とか)始めちゃうし
インドだと別の作家さん(宗派)の人気キャラ(神様)と、自分とこのキャラとの二次創作
とか始めちゃうし調べてみると中々に面白い
261 Trader@Live! sage 2009/03/09(月) 18:14:42 ID:XiXh+xcQ
>>251
原作「神との契約と十戒(旧約聖書)」
原作者はモーゼ。原作者マンセーだが、初期からのファン以外は認めないという
徹底的な排他主義で他のジャンルから煙たがられる(ユダヤ教)
キリストが原作を元に「お父様と私(新約聖書)」
発表。それによって、初期のファン以外にも門戸が広げられるが、時代を追うに従
って、二次創作のサークルが次々に乱立。しかも、最大手(バチカン)の利益追求
主義のぼったくり商売で、暗黒時代到来(キリスト教)
志のあるファンの一人(ムハンマド)
原点主義に帰って「俺達と神様(コーラン)」発表
原作至上主義者も、二次創作至上主義者も同じジャンルなんだし仲良くしようぜと
良いことを言うも、余りにも質実剛健すぎる作風から他の二者からは敬遠され気味
しかも、近代に入り「俺達と神様(コーラン)」以外はみんな邪道。原作とかしったこ
っちゃねぇ(原理主義者)とか現れて色々大変なことに(イスラム教)
引用元:2chコピペ保存道場
http://2chcopipe.blog122.fc2.com/blog-entry-4241.html
語弊のある言い方になるけど、イスラム教って、キリスト教をベースにムハンマドが仏教やらゾロアスター教やらの「(・∀・)イイ!!」と思えるとこを集めて作った「俺的最強宗教」なのな。
だから実は「アッラー」ってユダヤ教・キリスト教の神「ヤーヴェ」と一緒だし、モーゼやキリストについても同じ預言者として扱い、尊崇されているし、先輩宗教として敬うようにとされている。おかげで、オスマン帝国やイスラム支配期のスペインを始め、中世のイスラム世界には宰相を務めたユダヤ教徒やキリスト教徒がゴロゴロいたし、侍医なんていう命を左右されかねない役職にまで、世襲的に着いていたユダヤ人やギリシア人なんてのもいっぱいいた。
なお「強制的な改宗」もクルアーン(コーラン)で固く禁じられており、従って、支配されていても「人頭税」という税を払えば宗教を維持できたし、その集団にたいし、自治権すら与えられた。これに対し「税金払うのやだから」つーて改宗する奴らが続出し、「ちょ、お前ら税収が減るから!」って理由で、改宗を禁じる法律なんか発布してたりする。一方、レコンキスタでスペインを再征服したキリスト教徒は、ムスリムとユダヤ教徒を虐殺し、追い出した。当時はイスラム世界の方が文化的にも、商業的にも圧倒的に進んでいたため、おかげでスペインの経済力はがた落ちになったそうな。
そんな開明的かつ鷹揚だったイスラムがなんで今狭量と思われているかというと、19世紀以降、軍事力を肥大化させたキリスト教世界にフルボッコにされて、支配者層がルサンチマン抱え込みまくったのと、貧乏のせいだと思います――って、なんの話だ。
まあ、そんな風に、日本は宗教的に適当で素敵だなあ!ということでありますよ。
ちなみに「日本人は無宗教」って言われるけど、俺は「特定宗教を持たないだけで、非常に宗教的。つか多神教徒」だと思ってます。初詣にクリスマス、盆暮れをキッチリ祝って、受験の時にはお守りを買って。電柱に鳥居が描かれただけで立ち小便が無くなるよーな国の、どこが無宗教だ。本気で無宗教って言うなら、福沢諭吉みたいにお札を踏みつけたり、お稲荷様のご神体の石を投げ捨てて道端の石に入れ替えたりしてみろってんだい。ちなみに俺は絶対ムリだ。神社仏閣大好き! 旅行に行ったら、絶対一つは寄るよ!
神 様 の 方 は 、 僕 を 嫌 い な よ う な ん で す が 。
いや、基本的に運はめちゃめちゃいい方だと思ってるんで、ある程度ご加護はあると思うんですが、ねえ神様仏様! できたら恋愛運の方も! たまにはお願いしますよ! ちょっと聞いてるんですか!? ねええ!?
巫 女 さ ん 大 歓 迎 で す 神 様 。