ぼくの、たからもの。
この前ニューズウィーク読んでたら、「iPodタッチの軍事利用が進んでる」って記事が載ってた。
なんでも『未来の「ネットワーク戦争」では兵士同士だけでなく、兵士が兵器システムや諜報活動の情報源と「つながって」いなければならない。軍事衛星や無人偵察機、地上のセンサーから送られる大量の情報を理解するには、多機能で使いやすい携帯端末が必要になる。』のだそうな。
そう考えたとき「タッチスクリーンで使いやすい」「軍用の特別仕様の機器に比べて、かなり安い」「保護用ケースに入れれば、戦場での使用に耐えるほど頑丈」で、なにより操作が容易で、新兵の大半が使ったことのあるiPodタッチは、最適なガジェットなのだという。なるほど。
すでにイラクやアフガニスタンに駐留する狙撃兵は、「ブレットフライト」というiPodタッチ&iPhone用弾道計算アプリケーションを、一般兵士もアラビア語とクルド語、それにアフガニスタンの2つの言語の選択を、音声と画面で表示する「Vコミュニケーター」というソフトを使用しているという。
またiPodをリモコン代わりに不発弾処理ロボットを操作したり、拘束した容疑者の写真と報告書を生体認証のデータベースにアップすアプリケーションなどの開発も進んでいるのだそうな。まさに事実は小説より奇なり。
まあ、その是非はともかくとして。
これ、TRPGのシナリオに使えそうじゃね?
現代もののシナリオで、ある日幼なじみの親友から、電話が来るんですよ。親友の名はリチャード・ハース。親が日系の商事会社で働いてたことから日本で育ち、主人公とは高校まで一緒に過ごした仲だ。
高校3年のときに親が事故死したことで、本国の祖父母の元に引き取られて別れたが、その後も折に触れてメッセージカードを送ってくる。抜群に頭が良くて、アメリカに戻ってからはMITに合格し、米軍関係の仕事に就いているという。バカンスシーズンには毎回日本にきて主人公の家に泊まることが恒例になっていたが(本人曰く「帰省」)、3年ほど前に結婚したのと、仕事で出世してしまったらしく、ここ数年はちょっと足が遠のいている。見かけは若くて陽気なカーネル・サンダース、といった具合だ。
四六時中一緒にいた親友で、主人公は彼を尊敬し、心からの友情を感じている。というのも、こんなことがあったからだ。
こんなこと。↓
◆俺の幼なじみのすごい話。
http://urasoku.blog106.fc2.com/blog-entry-695.html
この「M」のエピソードをパクる。完膚無きまでにパクって語る。個人消費だからいいのである。考えるの面倒くさいしな!
その彼から、電話があった。しかもなんと日本からだ。いつこっちに来たのだろう。そういぶかりながら、久しぶりの電話を喜ぶ主人公に、リチャードは奇妙なことを告げる。
今から、あえるか? 本町埠頭に来てくれ。頼む。お前に聞いてほしい話があるんだ。お前だけが頼りなんだ。ああ、あと俺から電話があったことは、誰にも言わないでくれ。いいか? 誰にもだぞ?
そして、電話は切れた。
なんだろう? あわてて準備をする主人公の家の、ピンポンが鳴る。そこにいたのは、リチャードの奥さん、ジェーンだった。ジェーンは片言の日本語で言う。リックを知らないか。突然家を出たまま帰らない。親友のあなたなら、なにかを知ってるんじゃないかと思って。
お願い、何か知ってるなら教えて。心配で、もう気が狂いそう。
先の電話のことを、言うべきか、言わざるべきか。
主人公は、悩んだ末、口を開いた。
→ジェーンに電話のことを言う
ありがとう、と言ってジェーンは血相を変えて飛び出す。次の瞬間キキキキーッとものすごい音を立てて駆け抜ける赤い車が見えた。
→言わない
ジェーンは必死の形相で食い下がる。本当に? とても大事なことなの。あなたなら知ってるんじゃない? 彼女はとても焦っているようで、なかなか引き下がらない。説得ロールをした結果分、説得に時間がかかる。
そしてようやく本町埠頭についた主人公だが、そこには誰もいない。待てどくらせど、誰も来ない。
そして次の日。主人公は、何の気なしにつけたTVで衝撃のニュースを目にする。本町埠頭からやや離れた場所で、外国人の死体が見つかったというのだ。被害者の名はリチャード・ハース。死因は撃たれたことによる失血死。警察は強盗と怨恨の両方を疑っている。そして。
犯行当夜、近くで目撃された不審な赤い車が、事件になにか関係があるものとして追っている、と。
3日後。失意の主人公の家に、小包が届いた。差出人は「蓮池陸人」。
見たことのない名前・・・・・・いや、違う。見たことがある。これは、リチャードだ。昔、小学校の頃だったろうか。二人でゲームをしていたとき、リチャードがいつも使っていたのがこの名だった。「俺がもし日本に帰化することがあったら、この名にするよ」と、いつも冗談で言っていたものだ。リチャードは日本で育ったからか、逆に母国に強い愛情を抱いていた。そんな彼が日本に帰化なんてするはずなんて、なかったのだけれど。
主人公は、ベリリ、ベリリと箱を開けた。そこには一通の手紙と、厳重に封のされた、金属製の箱が入っていた。手紙は、奇妙なものだった。
「やあ久しぶり! 元気かい? 僕は元気だ! ところで、子供の頃埋めたタイムカプセル、今年掘り出す約束だったよね! 残念ながら、僕は用事があって、今年いけそうにない。そこで、君たちだけで掘り出してほしい。そうそう、頼みがあるんだ。そこに着くまでに、買っていってほしいものがあるんだ。で、宝物が首尾よく見つかったら、僕のと一緒に送っておくれよ。買ってきてほしいものはこれだ。間違うなよ? 買ってから掘りに行くんだぜ?
・iPhone用緊急充電器。コンビニでよく売ってる奴だ。
・『ソードワールドRPG』ルールブック。2.0じゃないぜ? 無印のほうな。
・マッカランの12年もの。1本。
・日光菩薩像。
あと、この手紙には、箱が付いているかい? 付いていなければいいんだけど。付いているなら、それを忘れずに持っていってくれ。いいかい。どんなことがあっても、絶対に忘れちゃだけだ。いいね?」
金属製の箱には、ぎっしりと断熱材が詰まっていた。その中央には、これまたぎっしり詰まったドライアイス。その中にビニール袋に収まって、小さな赤黒いものが、大事に仕舞われていた。
人間の親指だった。」
こんな感じ――って、iPhone出てきてねえええええ!!!!
いや、ほんで、手紙に書かれてたブツを集めて宝物掘りに行くと、その中に、iPhoneが納められているんですよ! で、そいつが物語のキーアイテムになる、と! まあそんな感じだ!
まあ、それなりにおもしろそうなシナリオにできそうな気がすんだけどねえ。集めさせられた変なブツが、「このためだったのか!」と思わされるかどうかがキモですな。
まあ、こんな暗いシナリオ、絶対やんねえけど。ハッピーエンド至上主義原理派です。うひゃ♪
まあ、俺がマスター本当にやるなら、指の下りないっつーか、友達死なねえな。(笑)
連絡来るとこまでは一緒で、現れないのも一緒。で、そうだなあ、翌日に見るのは「逃走中」の報道かな。危険な殺人犯兼テロリスト。見つけ次第ご一報ください。
で、かかってきた電話を元にさがしていく。
・iPhone用急速充電器
まんま。充電するとiPhone立ち上がるけど、メニューやアプリが見たことないものばかり。
裏にUSMC(United States Marine Corps)の刻印。通信機能は破壊されている。メモ。「『聖☆お兄さん』って知ってる?」。
・日光菩薩像
はリチャードが売ったもので、そこにはメッセージが仕込まれている。普通なら手紙だろうけど、R2-D2みたいに、目から立体ホログラムとか投影の方が、セッション的には盛り上がる気がする。額の白毫を押すと起動。実は武器だったりすると、さらに面白いかもしれない。目が光って目くらましになるとか。頭のてっぺんが銃口になってて麻酔弾発射するとか。飛ぶとか。
・マッカランの12年もの
メッセージを元に訪ねていく変人科学者だか、ハッカーだかへの手土産になるわけですよ。行ってみたらケンもホロロに扱われるけど、ふと横を見ると大事そうに1/3だけ残されて封のされたマッカラン。お土産にと取り出すと、大喜びで迎えてくれる訳ですな。一昔前のSF ADVでありがちな展開。
途中、米軍に追われたり、TV見たら「テロリストの協力者」として手配されてたり、警察に見つかりそうになったり、ジェーンに襲われたりとか、ハッキングとか、大脱出とか、まあ、なんやかんや。
で、なんとかリチャードを見つけるわけだ。良かったね!
久々に会ったリチャードは、怪しげな防護服のような、パワードスーツのようなもんを着ております。
で、リチャードが抱えてる秘密が何かだけど、そりゃシステムによって変わるよね。完全現代物なら新型兵器か、陰謀か。最近だと新型ウィルス兵器が流行だ。黒幕は米国WASPの後裔。バラク・オバマの就任に危機を抱いた宗教保守派による陰謀うんぬん。クトゥルーものなら旧神がらみですか。
で、言うわけですよ。実は彼は研究やりながら、スパイやってたと。働いてたのはNSA所属の研究機関。でも実はDIAのスパイだったと。で、ある日、ようやく探ってたネタ(今回の秘密)を見つけたんだけど、そこでもういっちょ衝撃的な事実を知ったわけだ。嫁のジェーンもスパイだったこと。それも、結社の送り込んだカウンター・スパイ。さらに信頼してたDIA上司に裏切られたりなんかしちゃったりなんかしたりして。
で、言うわけですよ。自分は嘘の中に生きてきた。だましてつきあってきた仲間、だまされて作った家族。その結果がコレだ。こんな世の中、手に入れた“秘密”で滅ぼしてしまおうと思ったが、ただ一つ、守りたい「嘘じゃないもの」があった。それが主人公達だと。だから、賭けてみようと思った。主人公達が最後まで自分を信じ、ここにたどり着いてくれるかどうかに。
「ソードワールドのルールブックは持ってきてくれたか?」「
「ああ。一体何に使うんだ?」
「ルールブックの使い方と行ったら、ただ一つだろう」
くつくつと笑いながらリチャードは言う。
「セッションしようぜ。あの頃みたいに」
セッションが終わる寸前になって、黒幕の結社の送り込んだ部隊がやってくるわけですよ。最後までゲームできねえな。そうなったとこで、支援の手が入るわけだ。ジェーンな訳だ。自分が食い止めるから、とっとと最後まで終わらせてしまいなさい。
「おまえ、結社のスパイだったんじゃ!?」
「そうよ? それはそれ、これはこれね。神様の前で誓ったでしょ? 『その健やかなるときも、病めるときも、喜びのときも、悲しみのときも、富めるときも、貧しいときも、これを愛し、これを敬い、これを慰め、これを助け、その命ある限り、真心を尽くすことを誓いますか?』 ほらアタシ、敬虔なカトリックじゃない? 神様に嘘は言えないのよねえ」
そしてジェーンは、パチリと音の鳴るようなウィンクをして言った。
「真心、尽くさせてもらうわ!」
次の瞬間、フルバーストでたたきつけられたSG552の弾丸に、2台の車が爆散した。
セッションが終わると同時に、戦闘参加。リチャードと一緒にちぎっては投げ、ちぎっては投げ。で、最後に向こうの秘密兵器が出てきたとこで、リチャードが言うわけですよ。自分が突っ込む、と。
そのiPhoneに自分が調べた成果はすべて入っている。それを変人科学者に渡せば、しかるべきところに送って、奴らの陰謀を打ち砕いてくれるはずだ。
「○○、僕は君になりたかった。君に憧れていた。君のように素直に人を信じられたら、どんなに素敵かと思っていた。高校の時、D先輩を追い込んだのも、俺の夢だったおまえがけがされた気がしたからだ。そして、おまえに感謝して欲しかったからだ。薄汚い俺にとって、おまえは太陽だった」
そして、言うのだ。君たちは最高の友達だった。君たちと過ごした日々は、僕の宝物だ。生まれ変わったら、また友達になってくれるかい?
秘密がウィルスにせよなんにせよ、リチャードはそれに罹患している。彼の着ているパワードスーツは、それが漏れ出さないようにするためのものだったのだ。
んで、リチャード突っ込む。順当なら爆死。でも、説得や作戦によって助かるのも有りです。
で、エピローグ。陰謀は打ち砕かれ、主人公達の嫌疑も晴れて、めでたしめでたし。そして、ジェーンのおなかの中には、新たな命が宿っていた。
みたいな話にするかなー。
関連記事